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DeNAドラ1・度会隆輝が快挙の “連弾”…母親手作りのバッティングゲージで打ち込んだリトルリーグ時代

スポーツ 投稿日:2024.04.04 21:31FLASH編集部

DeNAドラ1・度会隆輝が快挙の “連弾”…母親手作りのバッティングゲージで打ち込んだリトルリーグ時代

 

 横浜DeNAドラフト1位、度会隆輝(わたらいりゅうき)外野手が偉業を成し遂げた。

 

 3月29日の広島との開幕戦(横浜)で、球団新人としては15年ぶりの開幕1番でスタメン出場。オープン戦で16試合に出場し、53打数23安打の打率.434で首位打者となった実績を見れば、それも当然のことだったかもしれない。

 

 ただし、度会が並みの新人ではないことは、この一戦の活躍を見ればわかる。0-3で迎えた3回裏、一死一・二塁で迎えた第2打席、相手先発の九里亜蓮から同点3ランを放ったのだ。横浜の新人開幕弾は64年ぶりのことだった。

 

 

 活躍の場は翌日の第2戦になっても変わらない。2点本塁打を含む4打数4安打の猛打賞。新人が開幕から2試合連続で本塁打を放ったのは史上3人め、セ・リーグでは史上初の快挙だった。

 

 わずか公式戦2試合で “横浜っ子” の心を鷲掴みにした度会。そんな彼は、父・博文さんが元ヤクルトの選手だったこともあり、3歳にしてボールを握っていた。

 

 本格的に野球を始めたのは小4で、東京北砂リトルリーグでのこと。1979年創部で、リトルリーグワールドシリーズに6度出場し、4度世界一に輝いている日本屈指の強豪だ。OBには日ハムの清宮幸太郎もいる。

 

 当時、コーチとして指導し、現在は監督の久保喜一さんが振り返る。

 

「お父さんと同世代なので、元プロ野球選手の息子が入ってくることに驚いたのは覚えています。さらに驚いたのは、その実力。清宮幸太郎もウチの出身ですが、清宮は典型的な長距離砲で、小学生レベルをはるかに超えていました。

 

 隆輝は小柄で、タイプは違いましたが、清宮と比較されるほどの存在。野球センスが飛び抜けていました。ミートするポイントやボールにコンタクトする能力が素晴らしかった。2人を見て、『こういう子が将来はプロに行くんだ』と感じましたね」

 

 やはり血は争えない。息子は野球が好きで好きでたまらなかった。

 

「リトルで一生懸命練習するのは当たり前なんですが、家に帰ってからも母・祥子さん手作りのバッティングゲージで毎晩打ち込むんです。

 

 そんな彼を知り、周りは努力家と言っていましたが、僕はそうは思わない。努力しているといった感覚ではなく、好きなことを好きなだけやるといった感じ。彼に当時のことを聞いても、『努力なんてしていませんよ』と言うと思いますね(笑)」

 

 野球センスは父から。そして、いまや度会の代名詞となった『最高で~す』といった底抜けに明るい性格は、母から受け継いだと久保監督は見ている。

 

「お母さんは明るく周りを元気にしてくれる方。お父さんはいつも低姿勢で、グラウンド整備を率先してやってくれるような方でした。そんな両親に育てられたわけですから、自分のことだけでなく、後輩の面倒見もいい子でした。

 

 ただ、そんな明るいお母さんが一時期落ち込んでいたことがあったんです。

 

 というのも、お母さんは身長155センチくらいで小柄でした。隆輝も中学までは160センチあるかないか。その息子を見て、お母さんが『将来、大きくなってくれるかな、私、小さいから』と心配していたんです。

 

 あるとき、膝と膝の隙間を計測すると、将来身長が何センチくらいになるかを診てくれる病院があると聞き、息子と2人で行ったらしいんです。お医者さんの診断は『この子は、将来180センチくらいまで背が伸びます』とのことでした。お母さんは大喜びしていました(笑)」

 

 その後、シニアリーグ、強豪横浜高校でも結果を出し、ドラフト上位指名は確実と見られていた。ところが――。

 

「僕ら指導者も集まって、その瞬間をテレビで見ていたんです。でも、結果は指名なし。残念というか、まさかというか、しばらく落ち込んでいました」

 

 周囲がそうであるなら、本人の胸中は言わずもがなだろう。

 

「ところが、年末にグラウンドに来て『3年後は絶対にプロに行きます!』と宣言したんです。プロを目指すなら大学進学のほうがいいと思ったんですが、『大学なら4年後。社会人なら3年後なので、社会人野球に行きます』と。指名漏れで周りが落ち込むなか、本人の切り替えが早かったことに驚きました」

 

 そして、有言実行の2023年秋。渡会はドラフト1位で横浜に進んだ。

 

「オープン戦での活躍は見事でしたが、本塁打はゼロ。でも公式戦では2戦連発ですからね。突拍子もないことをして驚かせてくる子でしたが、まさか打つとはね。やはり “持ってるんだ” と思いましたね(笑)」

( SmartFLASH )

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