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エンゼルス入団「大谷翔平」を待ち受ける監督の見切り問題
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2017.12.13 06:00 最終更新日:2017.12.13 06:00
大谷翔平(23)がメジャー7球団との面談の末に選んだ移籍先は、エンゼルスだった。多くのメディアが本命パドレス、対抗マリナーズを推すなか、意外な選択だったようにも映る。メジャー評論家の福島良一氏もその1人だ。
「意外でしたね。私もパドレスが本命と思っていましたから。パドレスは日本ハムと2008年から業務提携を結び、野茂英雄、斎藤隆らをアドバイザーに迎えていた。加えて、今春には大谷が入団時から体のケアを見てもらっていた中垣征一郎トレーナーをヘッドハンティングしていた。大谷が入団する条件は揃っていたとみていたんです」
しかし12月8日、代理人のネズ・バレロ氏は、「大谷選手は自身の成長と目標達成のため、エンゼルスが最適の環境だと判断した」と説明した。
その環境のよさを福島氏が解説する。
「本拠地のカリフォルニア州アナハイムは、年間を通して温暖な気候で知られています。テキサスなどに代表されるような猛暑もない。投打で活躍するには調整が重要となる。ましてや、肉離れなどの怪我に悩まされた時期もあったので、寒い場所は避けたかった。その意味でも最適な環境といえる」
そしてマイク・ソーシア監督(59)の存在も大きいと指摘する。
「野手陣の充実ぶりに比べて、投手陣には若干の不安があります。先発一番手のギャレット・リチャーズ(29)に代表されるように、故障上がりの投手が多い。そこでソーシア監督は、先発ローテーションを質より量に定めた。
多くのチームが先発を5人で回し、中4日が常識のところ、1人増やして中5日で回しています。メジャーでも二刀流を目指す大谷にとっては、日ハム時代とそれほど違わない間隔で登板できると思います。投手としては、もちろん先発一番手となるでしょう」
ただし「問題点もある」と、フィリーズ環太平洋部長・大慈彌功氏が語る。
「米国では、二刀流に関して厳しい見方が多い。大谷を打者として起用する場合は、おそらくDHとなるでしょう。なぜなら外野を守らせると、肩に負担がかかるから。ただ、今年も怪我で長期離脱した大谷にとって、日本より20試合近くゲーム数が多いメジャーで、二刀流を続けながら戦い抜く体力がまだないと懸念している」
スポーツ紙記者も不安材料を明かす。
「ソーシア監督は、長谷川滋利や松井秀喜らの指揮官を務めてきた人物。熱しやすく冷めやすいタイプと、もっぱらの評判。ヤンキース最終年のWシリーズでMVPに選出された松井に惚れ込み、自宅に招くほどの熱烈ラブコールで獲得したが、シーズン終盤はスタメン落ちが続くなど見切りも早く、1年であっさり放出してしまった」
大争奪戦の末の “二刀流男” の決断は「正解」となるか。
(週刊FLASH 2017年12月26日号)