広島が好調だ。8月20日現在、ゲーム差はわずか2ながら、2位巨人を抑えセ・リーグの首位に立っている。2016年からセ・リーグ3連覇を果たし、“カープ女子”なる熱狂的なファンを獲得して以来の優勝を狙える位置にいる。
チーム打率はセ・リーグ6球団でそれほど差はないが、チーム防御率が断トツの2.24と、安定した投手力がトップの要因であることは間違いない。ただ、「指揮を執る新井貴浩監督のマネージメント能力も見逃せない」と広島担当記者は語る。
「大きな期待をもって迎え入れた外国人の多くが不調のなか、“純国産”でここまでの成績を残しているのは、新井監督の手腕によるところが大きい。ソフト路線ではないですが、選手と距離感を取らず、むしろ何でも言い合えるほど密な感じになっています。
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また、練習環境なども大きく変えました。広島といえばキャンプ、シーズン中問わず、猛練習で有名でしたが、そこを変えています。たとえば移動して地元・広島で試合のとき、本拠地なので早くから練習できるし、時間も長くとれる。でも、2024年の夏場も殺人的暑さが続いているため、練習時間も短めで、ときには室内だけで済ませることもあります。新井監督からは『試合になったら、すぐにフルで動けるように暖めておいてくれ』くらいしか言われない。まだまだ真夏が続いていますが、選手たちはバテずにここまできています」
もちろん、選手たちのがんばりも際立つ。なかでも注目されるのは、移籍組ながらチームの精神的支柱の秋山翔吾外野手、扇の要である坂倉将吾捕手、猛暑でコンディショニング調整が難しいなか2試合連続完投勝利の玉村昇悟投手。熱狂的な広島ファンは、この3選手を、その名前から「トリプルしょうご」と呼ぶ。
象徴的な試合だったのが、8月12日のDeNA戦だ。先発の玉村投手は、先制を許しながらも粘りのピッチングをみせ、9回129球を投げて9安打9奪三振で3失点。2試合連続の完投で3勝めをあげた。
その左腕を大量点で援護したのが打線で、坂倉捕手は決勝打と7号ソロの2安打3打点の大活躍。秋山外野手も3安打1打点の活躍。3人はそろってお立ち台に登った。
地元では「神のような存在」と、広島の好調を支える要因として称えられているという、この3人。実際にXでも、称賛の声が多くつぶやかれている。
《トリプルしょうごお立ち台 観たかったやつや… 今日行った方羨ましい》
《「トリプルしょうご」は面白いな! ムリくり集めたんじゃなくて三者とも活躍してるのがすごい》
《ヒーローインタビュー トリプルしょうご!!!! Tシャツ出しませんか!?》
勢いに乗るカープ軍団が、2018年以来の悲願に突き進む。
( SmartFLASH )