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清宮幸太郎の育成プラン「開幕1軍デビュー」の可能性も
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2017.12.17 06:00 最終更新日:2017.12.17 06:21
「北海道でいちばん食べたい食べ物? 『ウニです!』。あだ名ですか? 『キヨッピ』と呼ばれてます(笑)」
11月24日、零下2度の極寒のなか、100人近い報道陣が札幌の大倉山ジャンプ競技場に集結した。前夜、宿泊先のホテルで、 “同級生” の高校選手らと談笑した際、意外なあだ名をつけられたことを明かし、清宮幸太郎(18)は報道陣の笑いを誘った。
将来の目標については、一転真剣な表情で「世界へ羽ばたけるような選手になりたい」と、あらためてメジャー志望を宣言。そんな様子を、両親も会見場で見守っていた。
むろん、日本球界で成功することがメジャー入りの最低条件となることは言うまでもない。スポーツ紙記者いわく、球団挙げて後押しすべく、綿密な育成プランが練られているという。
「春季キャンプから1軍帯同が既定路線。栗山監督も常に目の届くところに置いておきたいのが本音だし、1軍の雰囲気、レベルの高さを肌で感じ取ってもらいたい狙いがある。現時点では、開幕1軍デビューの可能性もある」
球界関係者も、育成プランを明かす。
「日ハムには、高卒選手の育成プランがふたつある。2軍で経験を積ませる中田翔タイプ。スタート時点から、1軍に帯同させながら育成する大谷翔平タイプ。清宮は後者と考えている」
中田タイプとは?
「高校時代から悪い癖がある選手を指す。中田はスイングするとき、左肘が上がりアッパースイングになる欠点があった。それを克服するのに1、2年、2軍で鍛えなくてはならない。
一方、大谷は癖もなく、経験さえ積めば伸びるタイプだった。清宮の打撃は、大谷に匹敵する高い技術を持っている。最大の長所は、ボール球に手を出さないこと。
それならば、1軍レベルの投手のスピードや変化球に早めに慣れさせ、経験を積ませることを優先させる。
最初は壁にぶつかるだろうが、我慢して使いつづけようということ。シーズンを通して1軍の試合に出れば、2年め3年め、さらにその先まで、1年めの経験が生かされてくると首脳陣は考えている」(前出・球界関係者)
一方で、高卒新人での1軍抜擢となれば、体力面が不安視される。思い起こせば大谷も、たび重なる怪我でその都度戦線を離脱。プロ5年間を通して、“二刀流” として万全な体調でシーズンを過ごせたことは少なかった。
そんな前例を考慮して練られた黄金ルーキーの育成プランに、ひと役買ったのが中田の残留だ。
「今シーズンの不振もあってFAを断念し、中田が日ハムに残ったことで、清宮を一塁とDHで併用するプランが浮上した。適度に休ませることで、怪我防止に繫がる利点が生じる。DH制を敷くパ・リーグならではの併用案だ」(前出・球界関係者)
テレビ局担当ディレクターによると、中田にとってもプラスに働くという。今シーズンの中田は、レギュラーに定着した2011年以降、自己ワーストの成績で8000万円の減俸を余儀なくされた。
「今オフ、本気で阪神に行きたかったが、他球団からオファーがなく残留を決断。中田にとっても来季は勝負の年。清宮入団で尻に火がついたはずだし、お互いにとってプラスになる」
育成プランの先には大谷同様、メジャー移籍まで視野に入れている。順調にいけば5、6年後に、清宮を希望どおりメジャーへ送り出す方針だという。
大谷は新人1年めの開幕戦に出場し、2安打1打点を記録。初打席で本塁打のイメージは? と聞かれた清宮は、「どうですかねえ。打てればいいと思います」と笑みを浮かべた。
怪物伝説第二章の幕開けだ。
(週刊FLASH 2017年12月12日号)