パリ・パラリンピックで、日本のメダル獲得有力種目であるテニス男子シングルス。エース・小田凱人(18)は、9月5日、準々決勝でオランダの選手に勝ち、準決勝進出を決めた。
小田はパラリンピック初出場ながら、全仏オープンでは2023年と2024年に2連覇を達成。同じクレーコートのパリ大会では、金メダルの有力候補として注目されていた。
一方で、9月1日におこなわれる2回戦前には、自身のXで、“試合外” の苦悩を漏らしていた。
《試合はあるけどテレビ放送はないらしいです。多分試合は日本時間日曜日のゴールデンタイム》と、パラ競技の第一人者としての悔しさを吐露したのだ。同時に《(これまで)なんのためにメディアに出て、演出してきたか分かんなくなりそうだけど、これが現実》とも綴っている。
「確かに、小田のメディアや番組に出る回数はパラ選手としては突出していますし、ピンでCMに出ているのも、おそらく彼だけです。
8月3日の巨人対ヤクルト戦では始球式を務め、ノーバウンド投球で集まった大観衆を沸かせました。それだけに、放送がないことに対して、不信感を言わざるを得なかったのでしょう」(スポーツ記者)
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X上にも同情の声が多数寄せられている。
《何のためにっていう言葉の重みをテレビ業界全体で考えていただきたい》
《スポーツ観戦から離れて久しいけど、車椅子テニスの小田凱人選手の試合は見たいなと思ってたのに。テレビ中継ないとか信じられないよ~》
《パラの最大の問題で全競技の知名度が低い。 これを是正する動きが未だに遅い》
母親が車いす生活をしている作家の岸田奈美氏も、小田選手の苦言にこう即座に反応した。
《ほんまにほんまにほんまにほんまにこれこれこれこれこれこれこれ!!!!!小田さん観れへんの!?!?!?!?!って夜中にくっそでっけぇ声出してもうた》
小田は、試合が放送されない悔しさについて、9月3日、試合後の会見でも触れている。「(テレビに)映せるレベルだなと思ってもらわないと何も始まらないので、そこは意識してやりたい。パリから変わったなと、10年後20年後に思えるようにしたい」と明るく語っていた。
パラリンピックが、本当の意味で注目される日は来るか。
( SmartFLASH )