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W杯予選敗退危機の中国サッカー界、若手育成にやっと着手の“後手後手戦略”まさかの日本人招へいで浮上狙う
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2024.10.28 20:15 最終更新日:2024.10.28 20:25
北中米W杯アジア最終予選は10月ラウンドが終了し、日本は3勝1分けと素晴らしいスタートを切っている。この大会から出場国が32から48にまで増え、アジア枠はカタールW杯の4.5枠から8.5枠と約倍増。まだ4戦しかしていないが、まさかの出来事さえ起こらなければ、日本の8大会連続8回めの出場は間違いないだろう。
反面、「出場枠増加は中国のため」とのささやかれる中国代表の成績は芳しくない。
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「FIFAとしては、出資額の多い中国にどうしてもW杯出場を果たしてほしいところでしょう。しかし、その中国にとって初戦の相手が日本で、しかもアウェーだったことが“悪夢の始まり”だったかもしれません。引き分け、あるいは最少失点差での敗北を目指したのか、最初から守備的に戦った中国。しかし作戦は大失敗で、0-7という屈辱的な敗戦を喫しました。
その後、流れを変えられず3連敗。4戦めのインドネシアにようやく勝利しましたが、1勝3敗とグループCの最下位に沈んでいます。中国の本大会への出場による出資額増を狙ったFIFAの思惑は、今大会でも風前の灯火となりそうです」(スポーツ記者)
中国は2002年の日韓共催W杯以降、一度も本大会出場を果たしていない。しかし、何も手を打ってこなかったわけではない。
日本から遅れること1年、中国も1994年にプロ化を決断した。1993年開幕のJリーグには大物助っ人が参加したが、なかには大ベテランも含まれていた。だが中国は、日本とは様相が違ったようだ。
中国の「スーパーリーグ」は、2010年代に入ると、その潤沢な財力を生かし、まだ若くバリバリの代表選手を世界中から集めた。となれば、中国のクラブが強くなるのは当たり前で、一時はアジアクラブ選手権は中国クラブの独壇場、といった時期が続いていた。
「ところが、クラブは強くなっても、自国の選手が彼らにポジションを奪われてしまい、試合に出ることさえできなくなったのです。中国代表は強化どころか衰退の時期が続きました。
ならばとばかりに、今度はリーグでプレーする外国人を帰化させる作戦に出る。日本のようにどちらの親が日本人とか、日本にルーツがあるとか、そういったことは一切関係なしに有望選手を帰化させようとしたのです。
最初こそ可能性を見せましたが、むしろ長く一緒にプレーすると連携が乱れる悪循環。さらに『こんなに帰化選手ばかりなら、国家代表じゃない』とサポーターから拒否反応さえ出始めました」(同前)
そして、最後の手段として頼ったのは、まさかの日本人だった。今年2月、元日本代表DFだった上村健一氏が、U-16中国代表監督に就任した。
「現役時代はタイトな守りで名を馳せ、“マイアミの奇跡”と呼ばれた1996年アトランタ五輪のブラジル戦にも途中出場し、大金星に貢献しています。引退後は日本でコーチとなり、中国との交流もあって現地でコーチなども務めていました。今回は中国サッカー協会からの要請で、育成を託されて就任しました。
中国は大物助っ人をリーグに呼んだり、帰化選手を増やして代表強化に務めてきましたが、どれもが失敗に終わった。『A代表の強化は、若年層の強化から始まる』といった、サッカー界では当たり前のことを中国はやってこなかったんです。
やっとそこに気づき、指導力のある日本人を招いたということでしょう。少々、いや、かなり遅い気もしますが……」(サッカーライター)
中国A代表は北中米アジア最終予選で大苦戦中だが、上村監督率いる中国U-16中国代表はAFC U17アジアカップ予選に出場し無敗で、来年4月に行われる最終予選への出場を決めた。早速、“上村効果” が出ているようだ。
( SmartFLASH )