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巨人の“強欲FA計画”に暗雲…阪神・大山のみならず「ポジションかぶり」の獲得路線に選手側から「NO!」
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2024.12.04 14:27 最終更新日:2024.12.04 18:51
11月25日に阪神の球団納会が、大阪市内でおこなわれた。FA宣言していた大山悠輔内野手が欠席し、「巨人入り間違いなし」「少なくとも阪神残留はない」といった意見が多く聞かれたが、29日に大山は阪神残留を表明。まさかの結果に驚く阪神ファンは多かったという。というのも、阪神は大山に5年17億円のオファーを出していたが、巨人はそれを上回る6年総額24億円超という条件を提示していたからだ。
また条件だけでなく、巨人・山口寿一オーナーは「こちらがお声がけした選手に関しては、ぜひ来ていただきたい」と明言。さらに阿部慎之助監督も、いまだ阪神から巨人へのトレードがない現実を踏まえて「ウチに来て、世紀の大FAの先駆者になってほしい」と熱烈なラブコールを送った。そればかりか、ポジションのかぶる坂本勇人や岡本和真まで、同様のラブコールを送っていたのだ。
そこまでしながら、なぜ巨人は大山を取り逃がしたのか。「そこには巨人のFA戦略のミスがある」と巨人担当記者は語る。
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「巨人としては、メジャー移籍を熱望している岡本の後釜に大山を獲りたいと考えていたんです。ところが、今オフでのポスティングによるメジャー移籍を岡本が断念。なので、無理して獲りにいく必要はなくなったわけです。にもかかわらず、巨人は獲りにいきました。
大山のポジションは一塁か三塁ですが、そこには岡本と坂本という巨人の看板選手がいます。大山としては、巨人に入ったら彼らとポジションを争うわけですから、阪神時代のようにレギュラーは確約されていません。大山の気持ちが阪神残留に傾いてしまうのも無理もないところです。
巨人としては、名前で選手を獲るのではなく、足りないポジションの選手を獲るといった、当たり前のことを軽視しているといわざるをえません」
また、「甲斐拓也捕手(ソフトバンク)獲得にも同じことが言えます」と続ける。
「巨人の第一捕手は、96試合に出場した大城卓三(たくみ)ですが、彼は今季途中に取得した国内FA権を行使せずに残留を決め、打撃での期待値を込め、年俸は3000万円アップの1億6000万円で契約更改しています。また、原辰徳前監督時代は干されていた小林誠司捕手も42試合に出場し、強肩ぶりを披露。今季は復活の兆しをつかんでいます。岸田行倫(ゆきのり)捕手も自己最多となる88試合に出場し、今後には大きな期待がかかっています。
要するに巨人には、それぞれ持ち味が違う捕手が3人もいるわけです。にもかかわらず、甲斐捕手を獲りにいくという。たしかに捕手は、野球では要のポジションといわれていますが、本当に同じような実力の選手が4人も必要なのか。このFA戦略に首を傾げるOB は大勢います。当然、巨人の現状は甲斐も十分理解していますし、FA宣言したうえでの残留になるだろうといわれています」
巨人は、2020年オフに横浜DeNAから井納翔一投手、梶谷隆幸外野手を獲得後は、FA市場に参加することはなかった。「補強は育成で」の思いからだったが、今オフはその誓いを破ってまで、2016年オフ以来の大山、甲斐、石川柊太投手(ソフトバンク)と3選手の獲得を目指してきた。
だが、強欲な補強戦略に、3選手とも取り逃がす可能性が出てきた。“三兎”追うものは一兎も得ず、ということなのか……。
( SmartFLASH )