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田中将大、巨人移籍が濃厚もささやかれる“不吉なジンクス”30歳越えで移籍・復帰した投手に“活躍”なし
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2024.12.19 16:07 最終更新日:2024.12.19 16:07
巨人軍が田中将大(36)の獲得を目指し、動き出した。楽天が提示した、年俸5000万円を超える額をすでに提示したという話もある。
しかし、巨人のフロントは「ウチは絶対にない。『獲得に動く』なんて絶対に書かないでほしい」と、さんざん番記者らに語っていたというのだ。なぜこの時期になって獲得に乗り出したのか。巨人担当記者が解説する。
「あれだけフロントが強く言っていたので、このままなら田中は、あと3勝で名球会入りの条件を満たす日米通算200勝を目前に浪人、最悪なら引退の可能性が強いと感じていました。それを覆したのは、現場、とくに阿部慎之助監督の意向が強かったからです。
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来季の巨人は、オリオールズ入りが決まった菅野智之が抜け、ローテーションは戸郷翔征を中心に、山崎伊織、井上温大(はると)、赤星優志らで組むことになります。ただ外国人投手を除けば、彼らは年齢が20代前半から中盤と、非常に若手です。
その若い投手陣を、今季は菅野がまとめていましたが、来季はリーダー役が見当たりません。そこで、36歳と経験も実績も十分な田中が入れば、1年めとはいえ、引っ張っていってくれると考えたからです」
しかし、巨人には30歳を過ぎて復帰したり、FAなどで新規に入団したりしてくる投手にとっては、ありがたくないジンクスがあるという。それは「前所属チームでの成績を超える活躍をした選手が非常に少ない」ということだ。長く野球を取材してきたスポーツ記者は、その不吉なジンクスの事例を次々とあげる。
「中日のエースとして活躍した野口茂樹は、32歳のとき、FAで巨人に移籍しました。貴重な左腕として期待されましたが、在籍できたのはわずか2年でした。とくに2年めの2007年は、すべてがリリーフ登板。中日時代のようにローテーションの中心といった活躍は見せることはできませんでした。
井納翔一が巨人にFA移籍してきたときは、すでに35歳。横浜DeNA時代は先発の軸でしたが、巨人ではまるで活躍できず、こちらも2年でクビとなりました。
近鉄、楽天、シアトル・マリナーズのエースとして活躍した岩隈久志は2019年、37歳で入団。ただし肩のリハビリがうまくいかず、“精密機械”といわれたコントロールが復活することはありませんでした。2年間で一度も1軍での登板はなく、引退に追い込まれたのです。
同じくメジャーで活躍した上原浩治が巨人に復帰したのは2018年、43歳のとき。もともと速球とスプリットのみで勝負するタイプでしたが、スプリットもキレがなくなっていました。こちらも、わずか1年で0勝5敗の成績を残し、ユニホームを脱ぎました」
巨人の長い歴史のなかで、30歳を超えて巨人に復帰、あるいは移籍してきて活躍した投手は、工藤公康、杉内俊哉と数えるほどしかいない。それはなぜなのか。
「まずあげられるのが、巨人に入って注目度の高さからくる、戸惑いではないでしょうか。前所属チームでは、打たれたりしてもそれほど話題にならなかったのが、スポーツ紙の1面を飾るわけですからね。また、記者の数も違います。ある投手などは『ここまでとは思わなかった。まるで監視されているようだ』と嘆いていましたから……。
それと、巨人にはナイターのあとに練習、調整できる施設がないんです。たとえば、打ち込まれて早々とノックアウトされても、試合後に東京ドームで投げ込むことはできない。すぐに閉められてしまいますから。ジャイアンツ球場に行くことは可能ですが、試合後に行けば深夜で、これも現実的ではないそうです。ベテランになればなるほど、身体のチェックや調整は重要になってきますから、施設がないことは大きなハンデとなっているようです」
巨人でダメなら、もう後がない田中。大きなハンデを覆すことはできるか。
( SmartFLASH )