スポーツ
イチロー 密着番組で見せた現役時代と変わらぬ熱意に“指導者”への期待高まる…不仲説が流れた松井との“本当の関係”もチラ見え
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2024.12.24 19:20 最終更新日:2024.12.24 19:20
イチローに半年間密着し、作り上げたドキュメンタリー番組『情熱大陸』(MBS/TBS系)が、12月22日、23日と2夜連続で放送された。
22日の放送では、シアトルにあるイチローの自宅を訪れてインタビューを実施。豪邸ぶりと同時に驚かされたのが、広い部屋に所狭しと置かれた10台以上のトレーニングマシーンの数々。そして、いまでも毎朝、現役時代と同じような負荷の高いメニューを続けているという。
「引退から早5年が経ち、その立場は選手からシアトル・マリナーズの『会長付特別補佐兼インストラクター』に変わりました。それでも、スタジアムに姿を現わすのは誰よりも早く、まったく現役時代と変わりません。この野球に対する姿勢には驚かされましたね。
【関連記事:大谷翔平、バットの長さを変えたら打撃絶好調「ようやく本人の感覚どおりに」イチロー育ての親が「本塁打王」獲得へ直言】
番組では他にも、メジャーの次代を背負うといわれる“愛弟子”フリオ・ロドリゲス外野手への指導風景も映し出されました。さらには、もはやお馴染みとなっている高校野球の現場で自らが『打つ』『投げる』『走る』を実践するシーンは、圧巻ですらありました」(スポーツ記者)
さらに2日めの放送は、1つ年下の後輩である松井秀喜との久々の再会という、野球ファンにとっては垂涎の内容だった。2024年9月の「イチロー選抜 KOBE CHIBEN」対「高校野球女子選抜」の試合に松井の参加が決まったことで、再会の場が設けられたのだ。
「松坂大輔さんも参加していたその席で、イチローさんは松井さんとの再会がよほどうれしかったのか、松井さんが訪れる前からソワソワ、ウキウキといった様子でしたね。部屋に松井さんの足音が聞こえてくると『来た~あ』と大興奮。イチローさんが『ヒ・デ・キ、マ~ツ~イ!』と声を張り上げると、松井さんも『なんでそんなにテンションが高いの?』と苦笑いを浮かべるしかない様子でした。
さらに後日、カメラは2人が会食する現場にも密着。このとき松井さんは、現役時代と変わらぬ“癖”で遅刻してきたんです(笑)。するとイチローさんは『お前遅れてきてんじゃねえぞ、コラ!』と一喝。すかさず松井さんがお詫びとともに、イチローさんがメジャーデビューした2001年の赤ワインを差し出すと、『うれしいわ、これは。許すわ、12分間の遅刻』とその場は一気に和やかな雰囲気となりました。
一部では“犬猿の仲”とも言われてきた二人ですが、和気あいあいとした様子を見るに、実際は全く逆の関係なのだろうと感じましたね」(同前)
ビールの乾杯から始まり、プレゼントされた赤ワインが進むうちに互いのリミッターが外れたのかもしれない。話は思いがけない方向に進んでいった。
口火を切ったのは松井だった。「今のメジャーの試合を見ていると、ストレスたまらないですか?」と振ると、イチローも「めちゃくちゃたまる。退屈な野球よ」と賛同した。
2000年代初め、統計学に基づく技術であるセイバーメトリクスによる分析が始まり、さらに投手の投げる球の回転数や打者のスイングスピード、角度などが瞬時にわかるスタットキャストが導入され、以降、メジャーではすべてがデータありきで進められている。
2人も現役時代にスコアラーたちが分析したデータを取り入れることはもちろんあった。しかし、そればかりにとらわれていては、野球が野球でなくなると言いたかったのかもしれない。
イチローは「選手のメンタルはデータに反映されていないでしょ。見えないことで大事なことはいっぱいあるのに」と発言。さらに「危ないよね、この流れは。日本には何年か遅れで入ってくるので。それもまた怖い」と日本球界に対しての危惧も口にした。
「2人の野球への情熱にあふれた番組となりましたね。松井さんとの会話からは、野球界に対する危機感も伺えました。こうした内容に、イチローファンは大興奮の様子。ネット上では『イチローさんにNPBに指導者として復帰してほしい』『こんな教育者に出会いたかった』などと、“指導者待望論”も散見されます。すでに高校野球や女子野球で指導者として活動しているイチローさんですが、さらに大きな舞台での活躍が期待されています」(同前)
走攻守に秀でたイチローにはさらに指導の場を広げていってほしい。
( SmartFLASH )