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大関・琴櫻、めざすは “てっぺん”「来年はもうひとつ上の地位で餅つきを」…物欲ゼロの27歳、優勝賞金1000万円の使い道は?
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2025.01.12 06:00 最終更新日:2025.01.12 06:00
1月12日に初日を迎える大相撲一月場所。そこで綱取りに挑むのが、大関・琴櫻(27)だ。
2024年、一月場所後に大関昇進。大関5場所めとなる十一月場所、14勝1敗で念願の初優勝を飾った。昨年は66勝を挙げ、年間最多勝も記録。まさに充実の1年だった。
そんな琴櫻は2024年12月28日、佐渡ヶ嶽部屋の餅つき行事に参加。長年続く恒例行事で、部屋には多くの後援会関係者らが詰めかけた。弟弟子たちに粉を顔にかけられ真っ白になりながら、グッズを賭けたじゃんけん大会で盛り上がるなど、リラックスした表情で楽しんだ琴櫻だったが、行事締めの挨拶では、気を引き締めた表情に一変。
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「来年は、もうひとつ上の地位で餅つきができるよう頑張ります」
後援者を前に、こう力強く “綱取り宣言” をおこなった。この部屋に生まれた琴櫻にとって、餅つきは小さいときから慣れ親しんだ行事だという。
「毎年同じですよ。これがあると、年始と(初)場所が近づいてきた実感がある」
先場所の優勝賞金1000万円の使い道を聞くと、「貯金です」と即答。
「自分、物欲がないんですよ。だから、使うなら自分の体のためにいいものを買うとか、それくらいしかないんです」
初場所は自分にとって初の綱取りになるが?
「それは意識しても仕方がないこと。これまでと変わらず、平常心で臨むのがいちばんいいと思っています」
かつて本誌がインタビューした2022年は、まだ三役に上がる前のことだった。そのとき自分の “生まれ” についてこう語っていた。
「ずっとこの番付社会を目の前にして育ってきました。その厳しさというのは、わかっていたつもりですが、いざ自分が角界に入ってみて、どれだけ厳しい世界なのか、上の地位に行けることがどれだけすごいことなのかを肌で感じました。
関取に上がるまでは、先代(祖父)や師匠(父親)のことを言われて気にすることもありました。でも今は、それもプラスに考えられるようになって、重圧に感じることはありません」
あらためて2025年の抱負を尋ねると、こう力強く宣言する。
「もうひとつ上の番付がありますからね。これまでもそこを目指してやってきましたが、それは年が変わっても同じ。変わらずに、上を目指してやっていく。それだけです」
祖父で先代・佐渡ヶ嶽親方の琴櫻が横綱に昇進したのは52年前。大関だった1972年十一月場所、14勝1敗で優勝。そして、1973年の初場所も14勝1敗で連続優勝を果たし、最高位の横綱に上り詰めた。それから半世紀以上がたった今、同じ四股名の孫もまた、頂点に上り詰めようとしている。
大関・豊昇龍(25)も、綱取りのチャンスがあるとされている初場所。2人揃っての昇進となれば、55年ぶりの快挙だ。国技館でどんなドラマが生まれるのか、目が離せない――。
写真・高橋マナミ