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二度辞退の相手に「逃げた説」の無敵・井上尚弥、“ネクストモンスター”との一戦に期待高まる
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2025.01.12 17:12 最終更新日:2025.01.12 17:13
プロボクシングのスーパーバンタム級、4団体統一王者の井上尚弥が挑む防衛戦(2025年1月24日・東京有明アリーナ)で、対戦相手だったIBF、WBO1位のサム・グッドマン(豪州)の欠場により、代役はWBO11位のキム・イェジョンに決まった。
グッドマンが辞退するのは負傷のためで、じつはこれが2回めだ。2024年12月14日にも今回と同じ左目上をカットして辞退しており、ネット上では「井上があまりに強くて逃げたのでは」と囁かれる始末。そのくらい現在の井上は実力とコンディションがともに充実していて、対戦相手を決めるのにも苦労している。
だからこそ気の早いファンは“ある一戦”に期待を寄せる。井上の相手候補として挙げられるのは、すでに3階級を制し、ひと階級下の現・WBC世界バンタム級王者、中谷潤人である。
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中谷は2024年2月にアレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)を6回TKOで下し、WBC世界バンタム級王座を獲得して3階級制覇を達成。続く2024年10月14日に東京・有明アリーナで行われたペッチ・ソー・チットパッタナ(タイ)との2度目の防衛戦でも格の違いを見せつけ、6回TKO勝ちを収めている。これで戦績は29戦 29勝 (22KO) 無敗。バンタム級にしては身長172cmと背が高く、その肉体から繰り出されるパンチは左右両方とも威力抜群。ファンは井上に対抗してか“ネクストモンスター”と呼んでいる。
その中谷は、かねてより井上にラブコールを送り続けてきた。「いずれパウンド・フォー・パウンド(PFP)のトップになりたい」と目標を語るようになった中谷。対して井上は、中谷について「彼は強いと思う。だから興味が湧いている」と述べ、「PFPで1位になりたいという若者がいるので、それまでは(スーパーバンダム級で)待つかな」と中谷を強く意識した発言をおこなっている。どうやら“相思相愛”の関係のようだ。
現在は階級が異なるため、実現するためにはお互いに数試合挟むことになるだろうが、実現すればファン垂涎の一戦になることは間違いない。
「もし実現すれば、1994年12月4日に行われたWBC世界バンタム級王座統一戦の薬師寺保栄vs辰吉丈一郎を凌ぐ戦いになることは間違いありません。この一戦は日本ボクシング史上初の日本人同士による世界王座統一戦であったこともあり、日本中の注目を浴びました。
また辰吉のファイトマネーが1億7000万円と破格の高額だったことに加え、戦前からお互いに激しい舌戦を繰り広げるなど、ボクシングファンのみならず、あまりボクシングを見たことのない人たちも巻き込んでの一戦になったのです」(ボクシングライター)
試合は中部日本放送製作TBS系列で生中継され、視聴率は関東地区39.4%、関西地区43.8%、東海地区52.2%を記録した。
「井上対中谷が実現すれば興行面でも成功は間違いなしで、また東京ドームで行われる可能性もあると思います。ファンの方たちは『どちらが強いのか』の一点に注目していると思いますが、現在、専門家やボクシング担当記者などの意見をまとめると、もし今やったら『井上が有利だろう』ということ。そのくらい現在の井上は同級に敵なしの状態です。
でも、もし2年後となれば『中谷が有利では』といった意見が多いんです。2年後になれば井上はベテランの33歳となり、中谷は脂の乗り切った29歳となります。その年齢差が出るのでは、といった見方です。それだけに、もしやるなら井上は『すぐにでも』、中谷は『時間をかけて』、というのが本音ではないでしょうか」(同前)
ちなみに、かつて井上は本誌の取材に対して「現役は35歳まで。最後の階級はフェザー級」と語っている。井上に残された時間は長くはないのだ。今頃、グッドマンの度重なる試合延期に気をもんでいるのかもしれない。
( SmartFLASH )