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「最悪、死に至る」ビンタ合戦…朝倉未来がBreakingDownに導入する「パワースラップ」にリングドクターが深刻警鐘

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記事投稿日:2025.01.24 18:10 最終更新日:2025.01.24 18:10
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
「最悪、死に至る」ビンタ合戦…朝倉未来がBreakingDownに導入する「パワースラップ」にリングドクターが深刻警鐘

朝倉未来

 

 2025年1月25日に開催される『BreakingDown14.5』で、初めておこなわれる「パワースラップ(ビンタ合戦)」が、「危険すぎる」と批判の嵐を巻き起こしている。

 

「そもそもパワー・スラップとは、世界最高峰の総合格闘技団体『UFC』代表のダナ・ホワイトが主催する平手打ち大会で、アメリカでは、人気を呼んでいる競技です。ルールはラウンド制(3Rまたは5R)で、選手はマウスピースと耳栓を装着し、相互に顔面への平手打ちをおこなうというもの。勝敗はKOと判定決着がありますが、アメリカの大会では、張られた選手が気絶したり、失神するシーンが続出しています。

 

 

 BreakingDownのCEOをつとめる朝倉未来は、25日に開催される『BreakingDown14.5』で、パワースラップの試合を3試合おこなうことを発表しています。こちらは、ビンタ一発ごとにインターバルを取りながら、お互い3発ずつで勝敗を決するというものです」(スポーツ紙記者)

 

 本番の開催に先駆けて1月8日、朝倉未来は、朝倉の暴走族時代の特攻隊長、やまかわしょうた氏と、中学時代の先輩せいや氏にビンタ合戦のデモンストレーションをさせ、自身のYouTubeチャンネルにアップしている。しょうた氏より20キロ体重が軽いせいや氏は、3発ずつのビンタ合戦で、頬から出血。対戦後、せいや氏の左頬はみるみるうちに腫れ上がり、あまりに痛々しい姿にコメント欄や、Xでは

 

《マジ胸糞動画やん なんが面白いんこれ》

 

《これは本当に辞めた方がいい。ダメージが大きすぎる。死ぬよマジで》

 

 など、批判が殺到する事態となった。

 

ファンからのみならず、プロの格闘家からも批判の声は出ています。UFCへの参戦経験もある現役の総合格闘家、ストラッサー起一選手は、自身のYouTubeで『結論からいうと、絶対にやったらあかん競技』と指摘。アメリカの大会を観ていても、『出ている選手たちは今はよくても、のちのち絶対後遺症が出るし、ドランカーになったり、脳出血して、それが原因で亡くなったりする人が絶対出てくる。俺は絶対、死人が出ると思ってるから』と警鐘を鳴らしています。

 

 また、BreakingDownの常連『ポーランドの刺客』選手も、自身のXで『パワースラップって元々はポーランドで生まれた世界的に有名なイベント「PunchDown」を元にして作られたし、ポーランドで死人も出た。過激だから視聴者は勿論見るけど、人間としてそういうのはやめてほしい』『どこの国でも禁止にされるべきだと思う』と、その危険性を訴えています」(同前)

 

 医学的な観点で見た場合、どうなのか。複数のプロレスや総合格闘技の団体で、リングドクターを務める「格闘メディカル協会」の金村良治医師も、その危険性を語る。

 

「ビンタを受けることによって、その刺激や振動は当然、脳に伝わります。脳が揺れれば、脳震盪を起こすこともありますし、ビンタが顎に入ってしまうと、刺激・振動がダイレクトに脳に伝わり、場合によっては脳出血を起こすこともあります。“脳が揺れる”というのは、本当に危ないんですよ。脳震盪だったら回復するでしょうが、脳出血は脳の血管が破綻するわけで、命に関わってきますから、最悪死につながる恐れがあるということです。

 

 後から訴訟になる可能性を考えれば、もともとあった出血痕や梗塞痕なのか、ビンタ合戦によってできたものなのかがわかるように、試合前にCTもしくはMRIで脳の状態をチェックしておくのはマストでしょう」

 

 さらに厄介なのは、脳出血を起こした場合、体に異変が現れるのは直後とは限らないという点だ。

 

「脳出血を起こした場合、急に頭痛が起こったり、場合によっては意識がなくなります。そういった症状は受傷直後から48時間ぐらいまでの間に起こることが多いんです。だから、我々は、選手たちに『試合の記憶がない人や、試合で頭を打ったという人は48時間は1人にしないでください』と必ず伝えるんです。誰かを付き添わせて、選手に急に吐き気や頭痛が起こったら、必ず救急車を呼んで脳神経外科に行ってくださいと。そのあたりも徹底させる必要があるでしょうね」

 

 また、パワースラップがBreakingDownに導入されることによって、若い人らが真似するリスクも危惧されている。

 

「(真似する子も)出てくるでしょうね。真似事でバーンと張ったときに、小指とか薬指を相手の顎に引っかけてしまうと、脳が揺れるので、本当に危ないです。子供の場合、顎をかすめて脳震盪を起こしたら、後遺症が残ったり、場合によっては命を奪ってしまうような事態になる、ということがわかっていないでしょうからね。

 

 極端な話、ビンタはプロが50~60%の力でやっても、当たりどころによっては脳震盪を起こしますからね。それを格闘技の経験がある人間が100%でやったら、本当に危険でしかないです。ストラッサー起一選手の『いずれ死人が出てもおかしくない』は、大袈裟じゃなく、その通りだと思います」

 

 これだけの批判がありながら、1月25日のBreakingDownでおこなわれる、日本初開催の「パワースラップ」。無事に終えることを祈るばかりだが……。

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