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スキージャンプ・葛西紀明選手、52歳で大会優勝 「もはや化け物です」驚異の活躍の背景に“27年前の屈辱”
北海道の札幌市で2月1日に行われたノルディックスキー第36回TVh杯ジャンプ大会で、52歳のスキージャンプの葛西紀明選手が2年連続の優勝を果たした。
葛西選手は10代のころよりスキージャンプ選手として数々の大会で活躍。冬季オリンピックには1992年にフランス・アルベールビル大会に初出場したのち、2018年の韓国・平昌大会まで8回の出場歴がある。
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1994年のノルウェー・リレハンメル大会ではラージヒル団体で銀、2014年のロシア・ソチ大会ではラージヒル個人で銀、ラージヒル団体で銅メダルを獲得している。52歳となった今も現役選手として活躍する姿に、X上では驚きの声が相次いでいる。
《レジェンドとしてまだまだ活躍していることに感動します》
《歳とっても高レベルなチャレンジし続ける人は尊敬するわ》
《もはや化け物ですな。同世代として励みになります》
まさに“スーパーレジェンド”というべき葛西選手だが、選手人生は順風満帆だったわけでない。特に1998年の長野大会での“屈辱”は大きいと語るのはスポーツ紙記者だ。
「葛西選手は、ノーマルヒル個人に出場するも7位にとどまりメダルは逃します。一方、この大会で日本はラージヒル団体で金メダルを獲得したのですが、葛西選手は左足首のねんざによりメンバーに入れませんでした。メンバー入りした原田雅彦選手が1本目のジャンプを大きく失敗するも、2本目で137メートルを飛び、衝撃的な金メダルを獲得した同大会。その様子を見守るしかなかった葛西選手は『飛び抜けて悔しい経験』と振り返っています」
葛西選手は現役の選手として活動を続けつつ、所属する土屋ホームでは監督も兼任し、指導者としても活躍している。前出のスポーツ紙記者が続ける。
「2022年の中国・北京大会で個人ノーマルヒルで金、個人ラージヒルで銀メダルを獲得した小林陵侑選手は葛西選手が直々にスカウトした“弟子”にあたります。葛西選手自身は北京大会への出場を目指すも叶いませんでしたが、その代わりに教え子を優勝に導いています。指導者としてこれほど成果を出しているのですから、普通であれば現役引退を考えるもの。それでも“自分も飛ぶ”という姿勢が、むしろ多くの後進に勇気を与えているのかもしれませんね」
葛西選手の驚異の活躍がどこまで見られるか楽しみだ。