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田中将大「魔改造」順調報道も異論噴出「速さ感じられない」「ストレートはお辞儀」の悪評
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巨人那覇キャンプで練習する田中将大
楽天から自由契約となって巨人入りした田中将大投手が、2月24日、ロッテとのオープン戦で先発し、1回無安打無失点だった。
ストレートの球速は、巨人移籍後最速となる145kmを計測。翌日の各スポーツ紙には「甦る」「魔改造順調」などの文字が躍った。
昨季、日米通算18年めにして初めて未勝利に終わった(1試合登板0勝1敗)。オフの契約更改でも揉め、自由契約を志願して巨人に活躍の場を求めた。
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キャンプイン後は順調だった。調子の落ちた投手を甦らせることから、“魔改造” の異名をとる久保康生巡回投手コーチによるマンツーマン指導が続いた。
全盛期と比べ、やや肘の位置が下がっていたことから久保コーチは、腕の「縦振り」を意識させた。これを続けることによって田中も「投げている感覚が(いままでと)全然違う」と好印象を持っていた。
昨季の楽天でのキャンプのように、途中でどこか痛めることもなく、ブルペンでの投球も積極的にこなしていった。
2月17日にはキャンプ初のシート打撃に臨み、延べ8人の打者に対し、安打性の当たりは1本に抑えた。幼馴染の坂本勇人との対決は、ショートゴロと四球だった。
迎えたロッテとのオープン戦では、トップバッターの髙部瑛斗野手を一塁ゴロエラーで出すが、続くDHソトをショートゴロ併殺打に。3番山本大斗をファーストフライに抑え、結局三者凡退に。球数は10球と、省エネ投球でもあった。
その結果を踏まえ、各スポーツ紙は冒頭のように順調さを伝えているが、はたして本当なのか。ベテラン記者が解説する。
「2月17日のシート打撃も見ました。このとき、巨人の打者は、甘いコースでもファールになったり、打ち損ねのゴロが多かった。その光景に『打者は差し込まれていた』といった論調が多かったのです。
でも、私の見解は違います。打者は当然、全盛期の田中を頭に置いて打席に入り、速い球をイメージしています。ところが、思ったほど球が来ない。だからこそタイミングが合わずにファールになったり、ゴロが多かったのだと思います。
そして、24日のオープン戦ですが、その印象に変わりはなかった。速球は145kmを計測したと言いますが、私には、とうていその速さは感じられなかった」
別の記者もこう話す。
「かつてのようなキレのある速球を要求するのは酷ですが、フォームに躍動感はないし、ストレートはお辞儀しているような感じすら受けました。もし、シーズンに入ってもこの程度のスピードとキレなら、昨季同様、勝つことは難しいんじゃないかと思います」
こうした異論が噴出することを思えば、復活までの道のりはまだまだ遠そうだ。