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レッドソックス・吉田正尚、復活の兆しもトレード話浮上…DHのライバル登場と守備難から
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右肩痛からの復活を目指す吉田正尚(写真・アフロ)
昨年10月に受けた右肩手術のリハビリも順調に進み、レッドソックス所属の吉田正尚は今キャンプで他の野手と変わらぬメニューをこなしている。
これを見て誰よりも安心しているのは、侍ジャパンの井端弘和監督のようだ。2月22日(日本時間23日)、レ軍のキャンプ地、フロリダ州フォートマイヤーズを訪問し、吉田と会談した。報道によると、井端監督は「(吉田は)勝負強いし、打点も稼げる。期待の選手であることは間違いない」と語っている。どうやら井端監督の頭の中には2026年のWBCでの起用の考えがあるようだ。
昨季、吉田にとって右肩の痛みは想像以上に厄介だった。シーズン開幕から痛みに開放されることなく、気づけばシーズンが閉幕ということだったという。
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1年めには打率.289、15本塁打、72打点と新人としては十分な成績を残した。それだけに昨季はクリーンアップとして大いに期待された。だが、右肩の痛みが邪魔をした。打率.280、10本塁打、56打点と、打撃主要3部門の成績はすべて1年めを下回り、期待を裏切るどころか、ベンチを温める日も多くなってしまった。
ただ、今季に向けて調整は順調のようで、「バッティングに関しては100%の力で振れていますし、投げる方に関してはまだ外で投げ始めたばかりなので、徐々にステップアップできるようになればいい」と取材に答えている。
ところが、復調ぶりがクローズアップされればされるほど、吉田にはついて回る噂がある。それがトレード話である。
「2022年、レ軍と吉田が結んだ契約内容は5年総額9000万ドル(当時・約126億円)と高額なものでした。レ軍は主力の外野手としての期待があったからこそ、年にすれば20億円以上の金を出したわけです。
ところが1年目、打撃はそこそこでしたが、守備はハッキリ言って落第点。そのため2年目はDHでほとんど起用されましたが、今度は打撃成績が下がった。となると、『DHなら圧倒的な数字を残さないといけない』『年俸に見合った価値が吉田にはない』となるわけです。
今季レ軍は強肩強打のアレックス・ブレグマン三塁手をFAで獲得した。となると、これまで三塁のレギュラーだったラファエル・デバースをDHに回すことができるんです。必然的に昨季はDHだった吉田がはじき出される格好になるわけです。アレックス・コーラ監督は、吉田をDHではなく外野手に戻すと言っていますが、利き腕の右肩の手術明けですから守備に就くことは考えづらいでしょう。
今季の吉田の年俸は27億円とも言われ、試合にも出ない選手にこの金額を出すことは球団運営の圧迫になります。逆にもし吉田が復活すれば、彼のポテンシャルを考えれば欲しい球団は多いはずですから、いいトレード話が進む可能性は高い。こうした事情から、吉田はいつトレードに出されても不思議ではないんです」(現地記者)
吉田にとって生き残りの戦いが、しばらく続くことは間違いないだろう。