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龍谷大平安高・野球部監督の暴行発覚…いまだはびこる「名門校の暴力問題」部員が “暴行に気づく” 瞬間とは

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記事投稿日:2025.03.01 09:41 最終更新日:2025.03.01 09:41
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
龍谷大平安高・野球部監督の暴行発覚…いまだはびこる「名門校の暴力問題」部員が “暴行に気づく” 瞬間とは

暴行が発覚した龍谷大平安高の原田監督

 

 京都・龍谷大平安高校野球部で、原田英彦監督による部員への暴行が発覚。現在、原田監督は自宅謹慎となっているが、同校によると、2月中旬に硬式野球部の部員から「監督から暴行を受けた」と申し出があり、原田監督に確認したところ、暴行を認めた。今後は、さらに詳しい状況などを調査していくという。

 

 1927年夏に龍谷大平安中学(当時)として出場してから、甲子園出場は春夏あわせて歴代最多となる76回(2位は中京大中京高の61回)を誇る。優勝も春1回、夏3回を数える野球の超名門校である。

 

 原田監督は、1993年に母校の監督に就任。春11回、夏8回の甲子園出場を果たし、1997年夏に準優勝、2014年春に初優勝を果たすなど、高校球界有数の指導者としても知られていた。その “超” がつくほどの名門校で、名監督による暴行というニュースには、驚きの反応が多く寄せられている。

 

 

 だが、こうした高校スポーツの暴力事件は、昨今決して少なくない。2022年には、秀岳館高校でサッカー部コーチが部員を暴行する映像が拡散され、問題視された。同年には、和歌山県立若山商業高校野球部で60代の男性監督が部員の頭部にけがを負わせ、翌年に略式起訴されている。

 

 長年高校野球を取材してきたスポーツライターによれば、こうした高校スポーツでの暴行事件は「驚くべきことではありません」という。

 

「こういう事件が表に出ると、野球の名門校であればあるほどみなさんは驚くかもしれませんが、名門校による暴力は、いまでも存在します。これだけパワハラに厳しくなってもです。

 

 むしろ、こうした暴力を “厳しさ” と受け入れている部員も多い。それくらい、いまだ暴力がおこなわれることがわかっていても、『この野球部に入りたい』という生徒は大勢いるんです。しかも、信じられないことに、暴力=愛のムチと思っている指導者は、いまでも多く存在するのが実情です。その勘違いをなくさないと、今後も暴力問題は続いてしまうでしょう」

 

 また、暴力問題が告発から発覚に至るまでには、「ある一定の流れがある」と続ける。

 

「先ほども言ったように、暴力を厳しさと思い込んで耐えていくわけですが、すべてはレギュラーを獲るためです。だから耐えられる。

 

 ところが、2軍などの選手が、耐えに耐えてもレギュラーを獲れないとわかったとき、部員は初めてハッキリと『これは暴力だ』と自覚するわけです。そこから告発につながっていく事例が、非常に多い。個別の事例について、どのような流れで告発者が現われたかはわかりませんが、過去に暴力事件が発覚したとき、背景にはそのような流れが多くありました」(同)

 

 暴力と教育ははっきりと区別をつけなければならない。高校スポーツから暴行がなくなる日は来るだろうか。

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