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自己申告、処分は球団まかせ…「球界オンラインカジノ問題」NPB “温情調査” で「主力は名乗りでないで」の本音
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オンラインカジノの利用を公表されていたオリックス山岡泰輔(写真・共同通信)
日本プロ野球機構(NPB)は2月28日、12球団を対象にしたオンラインカジノの利用について報告した。それによると、全12球団のうち7球団14人の利用者から報告があり、先に公表されていたオリックス・山岡泰輔投手を含めると、8球団15選手が自主申告したことになる。
NPBは今後も「自主申告を受けつける」としているが、はたしてこのやり方でいいのか。
「こうした球界を揺るがす事件が勃発すると、いつもながらNPBの弱気の姿勢が目立ってしまいます。
まずNPBは、今回のオンラインカジノについてどのような見解を持っているのか。“球界にとっての一大事” という認識があるとは、到底思えないんです。
もし、一大事と思っているなら、自主申告のような甘いことを言わず、各球団に “強制調査” を要求することがあってもいいと思いますね。いまのやり方は『何かあれば相談してね』といった感じなんです。当然、スマホの提出も強制ではありませんから、解析なんかもしていない。
このままなら、しらばっくれて逃げ切る選手も出てくるでしょう。『いまだにNPBはこんな甘ちゃんなことをやっているのか』と、スポーツマスコミは呆れ返っていますよ」(スポーツ紙デスク)
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一方、各球団としてはこのNPBの “温情調査” に安堵しているところもあるのかもしれない。
「球団としては、真相を明らかにしなければいけない義務はありつつも、やっぱり本音では『どうか主力が名乗りをあげないでくれ』と思っているでしょうね。
ここまで大きな問題となれば、名乗り出た選手には出場停止などの処分を出さなければいけない。処分されるなかに主力が入っていれば、大きな戦力ダウンになることは間違いないですから。
また、現在8球団15選手が名乗り出たとはいえ、山岡以外は名前を明らかにしていません。こうなると『山岡だけがなぜ? 不公平だ』といった声が出るのは当たり前のことでしょう。
ただ、ここに来て利用した選手の名前がチラホラあがってくるようになりました。そのなかには球団の主力もいますし、近い将来、名球会入りが確実視される選手もいます」(同)
NPBは、処分の内容などは、各球団に委ねるとしている。
「これこそがNPB の『逃げの姿勢』の表れではないでしょうか。処分の内容は各球団に任せるのではなく、NPB主導でガイドラインを作ればいい。処分の有無を各球団に任せるとなると、たとえオンラインカジノをやっていたとしても『処分なし』の逃げ道を残すことにもつながりますからね。いまこそNPBがリーダーシップを取るべきです」(同)
NPBは球界のトップとしての力量を見せることができるのか。