スポーツ
【独自写真】MLB東京シリーズ取材に各局“エース女子アナ”登場! 背景に“野球通”女性キャスターの台頭

2025年3月18日、カブス対ドジャースのMLB開幕戦で取材をしていた元日本テレビアナウンサーの藤井貴彦(写真・田中昭男)
3月19日、ロサンゼルス・ドジャースとシカゴ・カブスによるMLB東京シリーズの第2戦がおこなわれた。ドジャースの大谷翔平が、今季1号ホームランを記録して日本中を沸かせ、日本テレビ系で生中継された試合は、世帯平均視聴率31.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録した。
前日の18日におこなわれた開幕戦では、ドジャースからは山本由伸、カブスからは今永昇太が先発を務め、鈴木誠也と佐々木朗希を含む計5名の日本人選手が出場したことから、注目度の高い試合となった。また、MISAMOやYOSHIKIなど、海外で活躍する大物アーティストや多くの芸能人が試合前に登場したことも話題となった。
【関連記事:日テレ女子アナたちの奮闘姿! 時には起こる「選手妨害」の批判も“中継してこそ”の背景】
もちろんテレビ局各社は、大谷ら選手たちの雄姿を取材しようと躍起になっていた。今回、試合を放送した日本テレビ関係者が、満足げに語る。
「2024年5月には、大谷さんの自宅周辺を取材して『出禁』を言い渡された、なんていう報道もありましたが、なんとか放送権を手に入れることができました。ドジャースの選手が来日した13日から、情報番組は野球のニュースで一色。開幕戦の2日間では、『Going! Sports&News』から亀梨和也さん、『ZIP!』からは鈴木福さん、元日テレのアナウンサーで『news zero』メインキャスターの藤井貴彦さんが取材に訪れていました。ほかにも、14日におこなわれた公開練習には、小髙茉緒アナが取材にきていました。
試合当日は長時間の中継で、社会部などの記者は『野球のせいで仕事がなくなった』と、ある意味、喜んでいました(笑)。逆に、スポーツ局の人間はふだん以上に忙しかったそうです」
大谷との“関係改善”を経て大成功を収めた日テレだったが、他局も黙っていたわけではない。開幕戦の取材にフジテレビは『すぽると! on TVer』の宮本真綾アナ、NHKは『ニュースウオッチ9』スポーツ担当の吉岡真央アナ、テレ朝は『グッド!モーニング』の佐藤ちひろアナと、各局のスポーツニュースの顔ともいうべき美女アナを投入していた。なかでもTBSは、期待の“エース”を投入していたという。
「『Nスタ』の日比麻音子(まおこ)アナが派遣されていました。局内では、彼女の取材ぶりを評価する声が多くあがっていましたよ。大谷選手と会話する機会には恵まれなかったようですが、生で大谷選手を見られたことはうれしかったようで、アナウンス室で同僚たちに『会えたの~』と報告していたそうです。
うちのスポーツ局としては、MLBよりも9月に開催される『東京2025世界陸上』を放送するので、そちらに力を入れたいところなんです。だから、現場取材も小規模体制でした」(TBS関係者)
ほかにも、多くのスポーツ関係者が取材に当たる様子が。
「『報道ステーション』(テレビ朝日系)のスポーツコーナーでおなじみのヒロド歩美アナさん、BSスカパー!の『プロ野球ワイド』でコメンテーターを務める山本萩子(しゅうこ)さんの姿も見られました」(スポーツ紙記者)
ヒロドといえば、ABCテレビのアナウンサー時代から『熱闘甲子園』の進行を担当。山本も、その知識はベテラン記者をしのぐとさえいわれるほど、野球に造詣が深い。近年、野球取材の現場では、こうした“野球通”の女性の躍進がめざましいという。
「そもそも、1986年の『JNNスポーツチャンネル』(TBS系)に『日本初の女性スポーツキャスター』という触れ込みで起用され、人気を博した出光ケイさんが注目されるまで、プロ野球の取材現場は男性社会そのものでした。その2年後、『プロ野球ニュース』(フジテレビ系)の土日のメインキャスターを、当時、同局のアナウンサーだった中井美穂さんが担当したことで、球界における”女子アナブーム”が幕を開けたのです。
当初、中井さんは、野球に関してはまったくの素人で、打者だった解説者に投手のマウンド上での気持ちを聞いたり、『四死球(ししきゅう)』を『よんしきゅう』と読んだり、多くのハプニングが起きました。ところが、その素人ぶりが受けて、各局が追随するように、スタジアムに女子アナを投入。とくに当時、人気絶頂だった巨人軍の試合には、各局の“エース級”女子アナが取材に送り込まれていたんです。その結果、プロ野球選手と女子アナ、というカップルも増えていきました。実際、中井さんも1995年、当時ヤクルトに所属していた古田敦也さんと結婚しています。野球に詳しい女性の取材者が増えたことを、当時と比べると、隔世の感があります」(スポーツ紙デスク)
東京での開幕シリーズについて「本当にいい思い出になった。またいつかこういう風に試合ができるとうれしい」と語った大谷。取材者たちの気持ちが、その心に届いたのかもしれない。