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大谷翔平、開幕戦で放った「今季第1号ボール」の “お値段” は?専門家は「リプレー検証になった付加価値」も指摘

5回表のホームラン後、三塁を回った際にポーズを決めた大谷翔平(写真・桑原靖)
東京ドームでおこなわれたドジャース対カブスのMLB開幕シリーズ(3月18・19日)。ドジャース・大谷翔平は、その第2戦で今季第1号を放った。
打球はフェンス際でファンの手に当たりグラウンドへ。リプレー検証の結果、ホームランと認定され、ボールはカブス選手がスタンドに投げ返した。
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そのボールをキャッチしたのは、埼玉から両親とともに観戦に来ていた小学4年生の男の子。少年野球で外野手をしているという少年は、「家宝にします」と、その幸運を喜んでいるという。
さて、気になるのは、その “お宝” の値段だが……。
「もしオークションに出されれば、スタートが2000万円、3000万円。1億円を出しても欲しい人はいるでしょう」
こう語るのは、スポーツ関連グッズの鑑定人として知られる前野重雄さんだ。
「リプレー検証となったことも、ボールに付加価値をプラスしたと言えます。あの場面が何度もニュースなどで流され、『誰もが知るボール』になったわけですから」(前野氏)
ただ、あのボールがオークションに出される可能性は「きわめて低い」と言う。
「ボールを手にしたのが小学生の男の子だと大々的に報じられていますからね。もし大人が手に入れていればオークションに出たかもしれません。しかし、子どものボールとなれば、出てくることはまずない。親御さんがどう見られるか、また、出たとしても『子どもが持っていたはずのボール』を競り落とした人が、世間からどう見られるか」(前野氏)
大谷が2024年に50-50を達成したホームランボールはオークションに出され、439万2000ドル(当時レートで約6億6000万円)で台湾の企業が落札している。
「今後、あれ以上のことはないと思います。現在、アメリカのスポーツ界では、こうしたグッズに並外れた値段をつけることが、冷めた目でみられるようになってきているのです。
ホームランボールを幸運にも手に入れたお子さんが、長く自分のもとで持ち続けることが一番いいことだと思いますよ」(同)
大谷の「50-50ボール」をめぐっては、「自分がボールをつかんだが、別のファンに奪い取られた」と主張する男性が訴訟を起こしている。MLBでは過去にもバリー・ボンズの73号ボールの所有をめぐって訴訟問題に発展したことがある。
大谷自身が、このような問題になることを望むはずもなく、野球少年の手に渡ったことを何よりも喜んでいるのではないか。