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金メダル「羽生結弦」次のステップはプロとなって被災地貢献
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2018.02.21 11:00 最終更新日:2018.02.21 11:00
「じつは平昌で、彼がこの五輪を最後に引退するといった情報が流れたんです。しかも近しい人に、『もうやめます』という思いを告げたと。各社裏取りに走ったんですが、本番直前ということもあり、報道に自主規制がかかったんです」(スケート担当記者)
右足首の靭帯損傷という大怪我から復活し、男子フィギュアでは66年ぶりの連覇を果たした羽生結弦(23)だが、競技者としては最後の五輪という衝撃の情報が、平昌で錯綜していたのだ。
ただ、羽生引退の情報はこれが初めてではない。最初は2014年6月、地元仙台でおこなわれたアイスショー直前に、専門誌にこんな発言をしていたのだ。
「僕、23歳でやめようと思っているんです。ハーフハーフではない。結構ガチですね。平昌までしっかりとがんばる。そのあとはまだ漠然としていて、具体的に何をしたいっていうのはないんですが」(「フィギュアスケートDays vol.18」)
この発言の真意をスポーツライターが解説する。
「ひとつは、ソチ五輪で日本男子として初めて金メダルを獲得し、満足してしまったこと。もうひとつは東日本大震災が関係している。彼は出身地である宮城県仙台市で被害に遭った。4歳のころから練習していた『アイスリンク仙台』も甚大な被害を受けた。多くの人が亡くなり、思い出の地が崩壊したとき、なんとか競技で明るいニュースを届けたいと考えた。
著書で得た印税約2500万円をリンクに寄付もした。ところが、現実的には、復興にはさらに多額のお金が必要。競技者として、支援をすることに限界があることを知って無力さを感じたという。それならばプロスケーターになって、アイスショーなどで得たお金を支援に回したいと。それゆえの引退発言だった」
引退を考えるのは、金銭的な事情が大きい。
「ソチ五輪での金メダルの報奨金は、JOCと日本スケート連盟から各300万円で計600万円。これもすべて被災地に寄付している。羽生の出場で放映権料が上がることを考えれば、もう少し出してもよかった」(前出・記者)
優勝後の記者会見で、「もうちょっと滑ると思う」と発言した羽生だが、すでにプロとしてアイスショーを中心に活動することを視野に入れている。
「アイスショーで演技するだけでなく、演出やプロデュースにも興味を持っている。また、アイスショーなら競技のように4回転を何種類、何回跳んだとかを競うわけではなく、優雅さを表現すればいい。またギャラは、メダリストなら1回の興行で数十万円ほどだが、五輪連覇の羽生なら100万円を優に超える。
プロになれば、それまで連盟と折半となっていたギャラは、全額自分の取り分になる。被災地に寄付するにしても、これまで以上に貢献できる」(連盟関係者)
羽生は現役のピークは、21歳から24歳と公言していた。金メダル獲得後、歓喜の涙を流したが、すでに「次」への作戦を練っている。
(週刊FLASH 2018年3月6日号)