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「こだわっているのは金じゃない」前田健太 MLBへのこだわりは「4000万円年金目当て説」ベテラン記者が完全否定する理由とは

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記事投稿日:2025.05.17 18:45 最終更新日:2025.05.17 18:46
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
「こだわっているのは金じゃない」前田健太 MLBへのこだわりは「4000万円年金目当て説」ベテラン記者が完全否定する理由とは

カブスとマイナー契約を結んだ前田健太(写真・共同通信)

 

 MLBのデトロイト・タイガースから戦力外通告を受けた前田健太が、シカゴ・カブスとマイナー契約を結んだことが分かった。カ軍のクレイグ・カウンセル監督が2025年5月16日(現地時間)のシカゴ・ホワイトソックス戦の前に明かした。前田は近日中に、メジャーの下部リーグ3Aに所属する、カ軍傘下の3Aアイオワに合流する見通しだ。

 

「この決定には驚かされました。今季の前田は先発から中継ぎへの配置転換を命じられ、『調整等の難しさから調子が上がらない』と、日本では報道されていたと思います。しかし、現地の見方は違いました。

 

 明らかな球威不足で、もうMLBで投げる力はないと見られていました。それは7試合に投げ、防御率が7.88だったことが物語っています。アメリカでチームを捜すより、日本球界復帰が現実的でした。

 

 ところがカブスは今永昇太、ジャスティン・スティールほか先発陣にけが人が多く出たため、経験値の高い前田に目をつけたのでしょう。前田にしてもMLBでやることを第一に考えていたようです」 (現地記者)

 

 

 前田は力が衰えたとはいえ、MLBにこだわるのはなぜか。いろいろな憶測が流れたが、そのうちの一つがMLBの年金制度だ。

 

 年金受給資格を得るためには、最低でも43日間のMLB在籍期間(サービスタイム)が必要となり、以降、1年、5年、そして満額の10年と、在籍期間に応じて金額が上がっていく仕組みになっている。なお、MLBにはシーズンオフがあるため、年間172日以上の登録で1年とカウントされる。

 

 在籍43日の場合、1年に6875ドル(約100万円)が支給され、満額となる在籍10年なら年27万5000ドル(約4000万円)と高額になる。

 

 前田MLBに9年在籍しているが、満額の10年に後1年足りない。そのため「是が非でもあと1年、MLBにしがみつきたいのでは」といった憶測が流れているのである。

 

 しかし、MLBを長く取材する野球ライターは「実情は違う」と語る。

 

「確かにあと1年在籍すれば、62歳から約4000万円が支給されます(希望があれば45歳からでも受け取ることができる)。でも、前田はすでに日米の年俸を足すと100億円以上稼いだことになるんです。なので、それほど年金の支給にはこだわりを持っていないようです。

 

 前田健太のメジャー残留の理由としてもう一つ言われているのが、日米通算200まであと35勝に迫っていること。でも、35勝するならMLBより日本球界で目指したほうが実現しやすいし、これも違うでしょう。

 

 結局、前田がこだわっているのは、10年、一線で活躍を続けたという実績なんです。これまで、日本人メジャーリーガーは80人いたと言われていますが、そのうち10年在籍し、満額の年金を得られる選手は野茂英雄、大家友和、イチロー、松井秀喜、ダルビッシュ有のわずか5人しかいないんです。前田が尊敬してやまない黒田博樹も、7年で広島に帰りましたからね。

 

 前田はお金や名球会ではなく、MLBで10年在籍できたという“勲章”を一番に考えているのでしょう」(野球ライター)

 

 日本球界では同期で“ハンカチ世代”の田中将大、坂本勇人らが年齢の壁に苦戦している。前田は海の向こうで、世代の低評価を覆すことができるか。

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