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「獣のよう」と評された「小平奈緒」チーターを目指していた

スポーツ 投稿日:2018.02.22 11:00FLASH編集部

「獣のよう」と評された「小平奈緒」チーターを目指していた

『写真:JMPA』

 

「女子では誰もやったことのない滑りを目指しています。平昌五輪での金メダルは通過点です」

 

 平昌五輪スピードスケート女子500mで見事、金メダルを取った小平奈緒。500mは国内外24連勝中という「無敗の女王」だった。1000mでも昨年12月に世界新を樹立した。

 

「精神的な強さを身につけたのは、2014年の単身オランダ留学でのこと。『2年間、自分自身に責任を持たないといけない環境で生活したことが、強さに繫がっている』と語っている。オランダでは、長野五輪金メダリストのマリアンヌ・ティメルコーチに『まわりはすべて敵。レースでは相手を殺すつもりで臨め』と教わった」(担当記者)

 

 そして、「自分に合っている」と思う練習法には貪欲。そのひとつが古武術。実際の練習では “コア” といって、体の核となる脊柱に近い部分を意識し、優先的に鍛えるトレーニングに重きを置いた。

 

 そのために使ったのが特注の下駄。真ん中にしか歯がない下駄を履いてバランスを取ったり、重心を下げたり、さまざまな動きをする。それによって体幹は見違えるほど強くなった。

 

■最速のチーターを目指す「無敗女王」小平

 

 滑り込みではあえて男子選手をパートナーに指名し、体の使い方、パワーの出し方などを滑りながら直接見て、学ぶ。それが冒頭の「誰もやったことのない滑り」に繫がっている。

 

 もうひとつ、力を入れているのが背骨全体を使った滑りだ。これまでの小平は、その部分をうまく使うことができず、トップスピードでコーナーに突入した際、ふらつく場面が多く見られ、減速していた。それを解消するため、レース前には背骨を多く動かすストレッチを取り入れている。

 

 かつてインタビューで小平はある動物にたとえて、その重要性を語っていた。

 

「チーターは走る際、背骨が波打っているんです。急激に角度を変えるときには、背骨自体にひねりを加えるようにして走っている。だからこそ最速なんです。背骨を動かすトレーニングを取り入れて以来、私もチーターに近づいているのかな(笑)」

 
 優勝直後のインタビューでTBSアナウンサーに「獣のよう」と評された小平だが、実際、本人もチーターを想定していたのだ。

 

 2009年、現所属先の相澤病院に “拾ってもらう” まで路頭に迷う危機にあった小平。ようやく迷いなしで金をとった。

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