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大の里、今場所前も「6キロ減量」で史上最速の“綱取り”成功!「体重は絶対200キロ未満」恩師も驚く自制心で横綱昇進V

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記事投稿日:2025.05.24 20:26 最終更新日:2025.05.24 20:26
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
大の里、今場所前も「6キロ減量」で史上最速の“綱取り”成功!「体重は絶対200キロ未満」恩師も驚く自制心で横綱昇進V

13日目で大関・琴櫻を寄り切りで破って2場所連続優勝を決めた大の里

 

 五月場所13日目にライバルである大関・琴櫻に完勝し優勝横綱昇進を決めた大の里。日本出身力士としては、師匠である稀勢の里(二所ノ関親方)以来、8年ぶりとなる横綱の誕生だ。

 

 初土俵から所要13場所で角界の頂点に立った“令和の怪物”の素顔とは――。

 

「本名が中村泰輝なんで、ニックネームはナカダイ。ひょうきんでしたよ。先生に怒られると大きな体を小さく丸めて、『すみません』と謝るんですが、その姿がおかしくてみんな笑っちゃうんですよ」

 

 そう語るのは、中学・高校時代のクラスメイトだ。大の里は石川県出身だが、中学・高校は新潟県糸魚川市の学校に相撲留学していた。

 

 

「相撲はもちろん強くて『白鵬杯』で優勝しましたが、自慢することはありませんでした。相撲部の稽古がきついのか、授業中は居眠りばかり。ときどき豪快ないびきをかいて、先生に叩き起こされていました(笑)」(同前)

 

 高校卒業後、角界入りか大学進学かを悩んでいた大の里。そこに「このままプロになってもすぐに関取になれるだろう。だけど、うちの大学で指導を受ければ大関、横綱になれるよ」と声をかけたのが、日本体育大学相撲部の齋藤一雄監督だ。その言葉を信じた大の里は、2年連続でアマ横綱になるなど、齋藤監督の指導で才能を開花させた。

 

「一を聞いて十を知る。相撲に関しての理解力が高く、頭がいい」

 

 というのが、齋藤監督の評価だ。

 

「相撲に関してはものすごく真面目です。ただ、ふだんは明るくてよくしゃべる。誰からも慕われるし、中村の悪口は聞いたことがない。うちの大学を出ているので、体育の教員免許も持っています。中村が今後教員になることはないと思いますけど(笑)」

 

 齋藤監督は、大の里が角界に入門する際に、ある約束を交わしたという。

 

「相撲の世界は体の大きいことがいいことだという世界ですが、私は体重をなるべく抑えるように言いました。プロに行っても200キロになったら絶対ダメだと。五月場所前の計量で191キロと出ていたので、心配になって場所前に電話したら『185キロまで絞りました』と言ってました。彼は体を大きくすることはできるんですが、それを自制して抑えているのはたいしたものです」

 

 元NHKアナウンサーの藤井康生氏は「現役、あるいは平成以降では飛び抜けた資質の持ち主」と評価する。

 

「入門当初から、取材の記者やアナウンサーへの対応は丁寧で、それは大関になっても変わらないと聞いています。負けると途端にしゃべらなくなる力士もいますが、彼は勝っても負けても変わらない対応をします。けっして気の利いたコメントをするわけではないのですが、それこそが自信の表われではないかと見ている人は多いです。来年には、優勝回数が二桁に届いているんじゃないですか。それどころか、20回もあっという間に達成しそう。それほど実力はずば抜けています」

 

 相撲ジャーナリストの荒井太郎氏も、高く評価する。

 

「100年に一人の逸材、といわれることもありますが、けっして大げさな表現ではないと思います。横綱になっても、まだ成長の余地がある。持っているものを出し切って、横綱になったという感じではないですから。まだ底が見えない、末恐ろしさがあります」

 

 また、師匠の影響を感じさせることもあるという。

 

「二所ノ関親方が現役時代そうだったように、力士はこうあるべきという、薫陶を受けているように見えます。よけいなことは話さない、勝っても喜ばないなど。大関昇進の際、親方に呼ばれて大関はかくあるべしという心構えをかなり聞いたようです」(同前)

 

 最後に齋藤監督は、横綱としての“品格”をこう語る。

 

「以前、中村と話したとき『横綱がお前の目標じゃないよ。大横綱になってくれ』と言いました。ただ強い、勝つだけじゃなく、ファンに愛される横綱になってほしい。彼ならやってくれると思います」

 

 75代横綱・大の里の時代が幕を開けた。

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