
3Aアイオワで登板する前田健太(写真・共同通信)
節目となるメジャー10シーズンめを迎え、前田健太がもがき苦しんでいる。
前田は日米通算200勝(NPB97勝、MLB68勝)まで残り35勝に迫っているが、近年はシーズンを通して活躍を見せることができないでいる。今季は先発復帰を目指したものの、7試合の登板はすべて中継ぎ。内容もアピールにはとても及ばないもので、5月7日にタイガースから自由契約を言い渡された。
しかし、「捨てる神あれば拾う神あり」で、カブスの傘下3Aアイオワが獲得に手を挙げ、ここで再起をかけることとなった。10歳以上も若い選手たちとともに汗を流し、ときにはアドバイスを積極的に与えた。
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しかし、肝心のいち投手としての働きは全盛期とは程遠く、とてもメジャー復帰は夢物語と言えるものだった。3Aアイオワでの3試合を通じての防御率は、24・30と信じられない結果に終わっている。
3試合はすべて先発だったが、同じように早い回から大量失点を繰り返し、相手チームに大きなアドバンテージを与えたことになる。これでは先発の大役を任せるには「怖くて任せられない」と思われても仕方がない。
「前田投手は自身のInstagramで、投球内容よりも投球フォームに問題がある、といったことを投稿しています。投手はデリケートなので、本人にしかわからないフォームのズレなどがあるのかもしれません。
でも、ストレートは走っていないし、代名詞のスライダーの切れもない。フォーム云々より、球威不足を見直し、どうしたら生き残れるかを真剣に考えないとメジャー昇格は厳しい。シカゴの報道では『マエダは再び解雇されるかも』といった報道が日に日に多くなっているんです」(現地記者)
Xでも《マエケン日本に戻ってこいよ》《正直、あまり無理はせず、広島カープに戻ってきてもいいと思います》《壊れちゃう前に広島に帰ってきなよ》と、メジャーではなく、広島復帰を推す声が多いが……。
「前田の今季の年俸は17億円以上で、もし日本球界復帰となれば同額は無理としても、かなりの高額での契約が必要となります。その金額を出せる球団は日本にはないでしょうね。広島の先輩でヤンキースから年俸20億円のオファーを断り、わずか4億円で黒田博樹は広島に復帰しましたが、彼はあの時点でまだ活躍できる力があった。でも、前田はかなり衰えていますから。本人が広島復帰を望んでもクリアしなければいけないハードルは多くあります」(同前)
前田は“ハンカチ世代”のひとりだ。しかし、世代の象徴であるの斎藤佑樹はすでに引退し、巨人の坂本勇人と田中将大は揃って2軍。ソフトバンクの柳田悠岐もケガが多く、毎年のように登録抹消を繰り返している。
37歳という年齢は、球界で活躍するには鬼門となっているのかもしれない。