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青森山田高 24年ぶり公式戦敗退で連勝418でストップ…元監督のパワハラ疑惑にOBのオンカジ賭博と“三重苦”

青森山田高校サッカー部
全国高校サッカー選手権優勝4回など、いまや“高校サッカー界の雄”として認知されているのが青森県の青森山田高校サッカー部だ。そんな彼らに“苦難”が度々訪れている──。
6月2日、青森山田はインターハイ青森県予選の決勝で八戸学院野辺地西高に1-1の末、PK戦で5-6で敗れ、全国大会出場を逃した。青森山田高にとって県内での黒星は21世紀に入って初めてのこと。1999年の新人戦決勝で三沢商に負けたのを最後に県内では公式戦で全勝だった。インターハイ連続出場は24年で、県内の連勝記録は418で止められた。
「両校はインターハイ予選だけでなく、県内決勝では幾度となく激突してきました。とくにスポーツでの“冬の風物詩”の一つにたとえられる全国高校サッカー選手権青森予選決勝では、2017年から8年連続で同カード。そのたびに八戸学院野辺地西高は涙を呑んできました。
ただ、じつはこの結果が“珍現象”を生み出したんです。何度挑んでも敗れる八戸学院野辺地西高に対し、『決勝で青森山田に勝ちたい』と、同校のサッカー部に入部を目指す中学生が急増したんです。その結果、有望選手が多く入ってきて、今予選の勝利に貢献したと見られています」(スポーツ紙記者)
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今回惜しくも全国大会への切符を逃した青森山田だが、その実績は賞賛に値されるものだ。彼らの屋台骨を築いたのが、1994年に同校のコーチとして就任し、翌年から2022年まで監督として指導してきた黒田剛氏だ。
「黒田氏の率いた青森山田高は、あまりの強さに『高校生のチームでは勝てない』と言われたほどでした。黒田氏はその実績を買われて、2023年からJ1の町田ゼルビアの監督に就任。就任初年度にはJ2で優勝を果たし即J1昇格。J1の1年めとなった昨シーズンも最終節まで優勝争いを演じました。サッカー界には『高校サッカーの指導者はJチームを率いても大成しない』という定説があるのですが、見事覆したと言えます」(同前)
その名将によるパワハラを報じたのは本誌だった。町田ゼルビアの関係者が2025年1月、「チーム内に黒田監督によるパワハラがあった」とJFA(日本サッカー協会)に告発。その後、JFAがJリーグに町田ゼルビアのパワハラの有無について調査することを要請した。
「調査の結果、町田ゼルビアの回答は『パワハラはなかった』というものでした。つまり、黒田監督によるパワハラ問題の調査は現在、止まっている段階かと思います。偶然かもしれませんが、この報道後に町田ゼルビアの勢いは失速。青森山田高も黒星と、なにか不穏な流れがあるようです」(サッカーライター)
青森山田に関する事件はそれだけではない。
豪州時間で6月1日(日本時間では2日)、豪州1部リーグ「Aリーグ」のウエスタン・ユナイテッドFCに所属するMF檀崎竜孔(だんざき・りく)容疑者が、オンライン賭博の罪で逮捕されていたと、複数の豪メディアが一斉に伝えた。檀崎容疑者は試合中に故意に警告を受けるなどして、スポーツ賭博の結果を操作した疑いが持たれており、既に起訴されているという。
「檀崎容疑者は青森山田高のOBなんです。同校では7番と10番がエースナンバーとされていて、檀崎は3年時には7番を背負い、冬の全国高校サッカー選手権に出場。決勝では流通経済大柏高相手に自身の2ゴールなどもあり、3-1で優勝に貢献。大会の優秀選手に選出されました。卒業後にはコンサドーレ札幌に進み、背番号は前年まで元日本代表の稲本潤一の背番号17を引き継いだことからも、期待の大きさが伺えました。しかし、2020年以降は所属が豪州、日本、スコットランドのクラブと毎年のように変わっており、なかなかビッグクラブに長居することはできていませんでした」(サッカーライター)
まさに青森山田高にとって“三重苦”のような出来事が続いたが、絶対王者だっただけに巻き返しにも期待が集まっている。