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ドジャース、“打率4割” 韓国選手の起用法に母国メディアが怒り心頭…大谷の1番起用もはまらずの危険信号

ロサンゼルス・ドジャースのキム・ヘソン選手(写真・アフロ)
いま、ロサンゼルス・ドジャースのデーブ・ロバーツ監督と韓国メディアが、一人の選手をめぐって激しいつば競り合いを繰り広げているようで……。
MLBで21世紀初のワールドシリーズ(WS)連覇を目指すド軍は、オフに積極的な補強を繰り返した。そのうちの1人が韓国のキウム・ヒーローズから3年1250万ドル(約19億7000万円)で獲得したキム・ヘソンだ。
キムは身長178センチと体格に恵まれているわけではないが、韓国リーグで2021年から2024年までの4シーズンすべてで3割以上マークした打撃は本物だ。足も魅力で、2018年から20盗塁以上を継続中だった。内外野遜色なくこなす守備力にも定評があり、まさにロバーツ監督好みの選手と言えた。
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だが、オープン戦とMLBの投手特有の動く球に苦戦したこともあり、東京での開幕シリーズには帯同せず、開幕はマイナーで迎えている。
そんな彼に思わぬチャンスが舞い込んだのが、5月2日(日本時間3日)のことだった。前回のWBC韓国代表のトミー・エドマンが右足首炎症で負傷者リスト入りすると、代わってメジャー初昇格。当初は、エドマンが回復次第マイナー行きが既定路線だったが、攻守に印象深い活躍を見せ続け、貴重な戦力となっている。
「今季開幕当初のド軍は、7~9番までの下位打線が極端に弱く、それゆえに1番打者の大谷の打点が増えない現象が続いていました。ただ、キムが昇格して下位打線に入ると出塁することが多くなり、大谷の打点も増えていきました。
現地時間6月10日時点でキムの打率は、打数こそ少ないのですが.403と驚異的。得点圏打率も.563と期待以上の活躍を見せています」(現地記者)
6月7日から始まった同じナ・リーグの上位対決、カージナルス戦、パドレス戦でも貴重な長打を放つなど、いまや欠かすことのできない戦力と見る専門家は多い。
しかし、キムは左打者のため、相手が左投手に変わるとロバーツ監督は代打を送る。たとえ前の打席でタイムリーを放っていてもだ。先発が左なら、いくら前日の試合で活躍していても先発を外されてしまう。
この策に大きな不満を抱いているのは、本人はもちろん、韓国メディアも同様のようだ。
「韓国メディア『OSEN』が特に不満を持っているようで、先発落ちになると『4割打者をベンチに腐らせるなんて』と嘆いています。また、前の打席でタイムリーでも代打を送られると『左腕相手(ヤンキースのヘドリック)に本塁打も打ったのに……左投手が出てきたらまた交代』と批判記事すら掲載しています。
韓国国内では、同じようなロバーツ監督への不満の記事が多いようですが、その急先鋒である『OSEN』の批判記事には根拠があります。
なぜなら、今季キムは左投手相手に2回しか打席に入っていませんが、2打数2安打なんです。また、韓国時代も対右投手の通算打率が.296だったのに対し、左には.306と分がよく、決して左投手が苦手ということではないようです。
韓国メディアや国民の多くが『左投手とも対戦させるべき』と思っていることも頷けます」(同)
キムの代わりに代打に出されることの多いキケ・ヘルナンデスが、打席でほとんど凡退していることも “キム固定” に拍車をかける。また、今季の新戦力であるレフトのマイケル・コンフォルトが、自身の身長185センチより低い1割7分台の打率しか残せていないこともキムを後押ししているのだが。
大好きな6月に入っての大谷の成績は、打率こそ.279とそれほど悪くないが、本塁打はわずか1本、打点も2。大谷の1番起用がはまらないのは、キムが下位打線に固定されないことが大きく影響しているのかもしれない。