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長嶋茂雄さん 日テレ特番が“一桁台”まさかの低視聴率…「強力な裏番組」だけじゃない、「威信をかけた追悼番組」不発の理由とは

2009年、パーティに参加した長嶋茂雄さん
長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督が亡くなったのは、2025年6月3日午前6時39分のこと。奇しくも、同日は長嶋さんが病に倒れたあと、献身的に看病をし続けた次女・三奈さんの誕生日だった。
それから約12時間後の午後7時、日本テレビは『緊急特番 ありがとう長嶋茂雄さん ミスタープロ野球 永遠に…』と題する追悼番組を放送した。
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「日テレは巨人と同じ読売新聞グループということもあり、長嶋さんに関する映像は他局が羨むほどあります。それだけに、局の威信をかけて同番組の制作に当たったと聞いています」(読売グループ関係者)
番組は、巨人入団から成し遂げた数々の栄光に始まり、2度に渡った監督としての15年間、愛弟子・松井秀喜との秘話など、日テレに眠っていた秘蔵映像とともに振り返っていった。前出の関係者が「視聴率は期待できる」と感じても不思議なことではなかった。
ところが翌4日に発表された視聴率に局員は大きな落胆を覚えたという。世帯平均視聴率は7・4%(ビデオリサーチ調べ・関東地区、以下同)、個人視聴率は4・4%という低さだったからだ。
「同時刻の他局の裏番組が『孝太郎&ちさ子 プラチナファミリー』(テレビ朝日系)や『バナナサンドSP』(TBS系)など、高視聴率が期待される番組が多かったのは事実です。それでも長嶋さんは国民的英雄ですし、同時間帯でのトップで最低でも2桁、あわよくば20%の視聴率を狙っていたんですが……。
結果は『孝太郎~』が9.9%、『バナナサンド』が7.8%、我々は民放3位に甘んじました。期待していただけに落胆は大きかったですね」(同前)
秘蔵映像は多く、亡くなった当日に放映できたスピード感はある。もちろん“ミスター・プロ野球の死”というインパクトもあった。なぜ、追悼番組は低視聴率に終わったのか。分析を行った民放関係者が語る。
「裏番組も充実度が高かったことはもちろんですが、意外にも『やることすら知らなかった』という方が多かったんですね。急遽決まった番組なので、当然番組の告知もそれほど多かったわけではありませんでしたから。また、ミスターに思い入れのある年代の方々は働き盛りで『番組を見たくても放送時間に間に合わなかった』とする声も多かったんです。
驚いたのは、『途中でチャンネルを変えた』という声も多く、その理由は『現役時代のプレーが少なかったから』ということでした。
最後に一つ、これは時代の流れで仕方ない部分なんですが……。放送開始の7時に家にいるのは、主婦層や男性でも学生など若い方が多い。要するに長嶋さんに興味ない方や、現役時代を知らない方が多いわけです。であれば、チャンネル争いは自然と裏番組にいってしまっても不思議ではありません」
特番へのスピード感は大事だが、たとえば告知に時間をかけ、放送開始時間を遅れさせたのなら、結果は違ったものになったのかもしれない。