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【200勝まであと2勝】田中将大、二軍で結果見せるも阿部監督「昇格の意思なし」で露呈した巨人軍首脳陣の“食い違い”

4月3日の対中日戦で日米通算198勝めを上げた田中将大だが…
とても6月とは思えない猛暑のなか、日米通算19年めの大ベテラン投手ががんばっている。
6月18日、二軍で調整中の巨人・田中将大がイースタンのロッテ戦(ジャイアンツタウンスタジアム)に先発。気温が軽く30度を超すなか、6回を5安打無失点に抑え、さすがの投球術を発揮した。
唯一のピンチだった4回表二死一、三塁のピンチも、落ち着き払ったマウンドさばきで、得点を与えることはなかった。
かつてのように、力でねじ伏せるピッチングスタイルではなかったが、最速147km/hの速球と変化球を織りまぜ、相手打者に的を絞らせないところは「さすが!」とうなるものだった。
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零封劇に納得したのか、登板後は「理想的なアウトの取り方ができたと思う。でも、そのときどきで相手も違うし、自分の状態も違う。次の登板に向けて調整していって、しっかり対応できるように準備をしたいなと思います」と語り、一軍復帰に向けては「どこであれ、マウンドに上がってやることは一緒。いつ呼ばれてもいいように、呼ばれるためにしっかりと投げとかないといけないですけど、同じように準備していくだけです」と、手ごたえを感じたようなコメントを残している。
田中の快投を見届けた桑田真澄二軍監督は「もう一軍で投げさせてあげたい。僕が(田中のピッチングで)イメージしていたのは今日の感じ。マー君にこの感じが出れば勝てると思う。一軍でも十分に貢献できる。今日は非常によかった」と絶賛した。
また、一軍の杉内俊哉投手チーフコーチも「結果を出し、安定していますからね。どこかでうちのピッチャー陣になんかあれば、呼ぼうとは思っています」と起用法についても語っている。
6月19日現在、巨人は交流戦も含め、32勝33敗2分けの4位と、前評判とは違って苦戦している。それだけに、一軍の起爆剤としても田中の昇格は急がれると思っていたが、ひとり、反対する人物がいた。一軍の阿部慎之助監督である。
「やはり気になるのか、田中の投球は試合途中までライブ映像でチェックしていたそうです。無失点の投球でしたので、昇格間近と思いきや、『いまのところ、ちょっとね。(先発ローテに)入り込めるところがないので、(二軍で)継続してがんばってほしい』と、すぐに昇格させる気持ちがないことを断言しました。これには驚きましたね。桑田二軍監督と杉内一軍投手コーチが昇格に太鼓判を押していたにもかかわらず、阿部監督が認めなかった。首脳陣のなかで意見の食い違いがあることを露呈してしまったわけですから。
また今オフ、巨人内には田中獲得を反対する声は多くあったのですが、阿部監督の強い推しでの獲得でした。それだけに、さらに驚かされました。たしかに田中は2度めの降格となった5月以降、5試合に登板し、23イニングで自責6と安定していますが、阿部監督は『所詮は二軍戦』と、まだ信頼できる姿にはない、と見ているようです」(巨人担当記者)
日米通算200勝まであと2勝と迫っているが、当面の敵は阿部監督か。彼を納得させない限り、名球界入りはない。