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鈴木誠也、本塁打自己最多42本ペース…大谷へのライバル心だけじゃない、「今季活躍しなければいけない理由」とは

シカゴ・カブスの鈴木誠也
シカゴ・カブスの鈴木誠也外野手の勢いが止まらない。MLB4年めということもあり、あらゆる面で慣れたこともあるが、とにかく打撃が好調である。
日本時間6月30日現在、打率.258、22本塁打、69打点の成績を残している鈴木。まだオールスター前のこの時期で22本塁打は自己最多であり、69打点はナ・リーグで堂々のトップを走っている。
本塁打は42本ペースで、打点は昨季、大谷翔平が記録した日本人選手最多の130打点を上回る134打点ペースなのだ。得点圏打率も大谷の.226に対し.314と大きく上回っている。
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大谷が29本塁打に加えて投手としても復帰を果たしたことで、どうしても注目は大谷に集まってしまうが、鈴木は間違いなく、今季、キャリアハイの成績に邁進中なのである。
活躍すれば注目度が上がるのは必然。6月29日のヒューストン・アストロズ戦ではこんな光景が見られた。ビジターチームには厳しいことで有名なヒューストンだが、スタンドには「SEIYA 27 SUZUKI」と書かれたプラカードが掲げられる場面も。鈴木の人気が上がってきた証拠であった。
SNSでも鈴木の活躍は大きな話題となっている。
《今年鈴木誠也が派手によすぎて、MLBから目が離せんわ》
《個人的に鈴木誠也は過小評価されとるイメージ》
《なんだかんだメジャーに適応してきてるの凄いわ 30本は行って欲しいなぁ あわよくば40……!》
ここまで好調の要因について、「もちろん技術的なものはあるが、精神面の部分が強い」と現地記者が語る。
「打点が多いことについて聞いたとき『塁に出る選手が多いので、ヒットじゃなくても最低犠牲フライを打てばいい。最低限はしっかりやりたいなと思っているので』と話してくれました。
また、鈴木は3番ですが、4番に62打点で打点王争いをしているピート・クルーアームストロングがいることも大きい。自分が駄目でも、彼が何とかしてくれるという、気持ちの面での余裕があるということでしょう」
また、スポーツ紙デスクは、“ライバル” の存在をあげた。
「大谷の存在ですね。プロ野球時代から2人は同学年ということで仲がよかった。鈴木はどちらかというと、あまり多くを語らないタイプですが、大谷へのライバル心は相当強いんです。
当時、本塁打も打点もキャリアハイは鈴木が上。盗塁もしかりで、走攻守揃った選手という点では鈴木のほうが格上でしたから。
メジャーに移籍後、鈴木は今季を含め、日本人メジャーリーガーで初となる3年連続20本塁打以上を記録しています。これはすごい記録なんですが、なにしろ大谷が毎年のようにメジャー記録や前人未到の記録を達成しますから、どうしても二番手扱いになってしまうんです。
昨季、大谷が『50-50』を達成したときは、相当悔しかっただろうし、今季に向けて燃えたと思いますね」
もうひとつ、大谷にあって鈴木にないものがある。それはWBCのタイトルだ。2023年侍ジャパンが3回めの世界一を獲得したが、鈴木は左わき腹痛により土壇場でメンバーから外れた苦い経験がある。
そして、来年には第6回WBCが開催される。前回の悔しさを晴らすのは、同大会でのリベンジしかない。そのためにはまずメンバー入りする必要があり、メンバーの選考期間は2025年のシーズンいっぱいまでだ。
鈴木には今季、活躍しなければいけない理由がある――。