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大谷翔平 「家族もファーストクラス移動」「勝利給395万円」破格すぎる“オールスターVIP待遇!”の中身

開幕戦の大谷翔平(写真・桑原靖)
今年もまた「ミッドサマー・クラシック」、いわゆるMLBオールスターの季節がやってきた(日本時間7月16日)。今季はアトランタ・ブレーブスの本拠地「トゥルーイスト・パーク」で開催されるが、ドジャースの大谷翔平(31)はファン投票でナ・リーグ最多票を獲得し、5年連続5度めの出場が決定。両リーグでの最多得票達成は、MLB史上2人めとなる快挙だ。
ところで、MLBのオールスターといえば日本とは違い、賞はMVPだけで賞金もない。MLB元通訳の小島一貴氏が、 “本場の祭典” の舞台裏を解説する。
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「唯一の賞であるMVPを獲得しても、スポンサーが提供する自動車などは別として、MLBからの賞金は用意されていません。ここらあたりが、『出ることが名誉』と言われる所以でしょう。
ただ、選ばれし選手たちですから、さまざまなVIP待遇が用意されています。2024年の例でいえば、ミールマネー(いわゆる食事代)が一日あたり117.5ドル(約1万9000円)、オールスター期間中の手当として1000ドル(約15万8000円)が支給されました。さらに勝利チームの選手には、2万5000ドル(約395万円)の “ボーナス” がありました。ほかにも、試合中に解説者と会話するために、テレビ中継用のマイクを装着した選手には、1万ドル(約158万円)が支給されました。
金銭以外では、オールスター戦とホームランダービーの観戦チケットが各6枚あてがわれ、往復の移動の飛行機チケットはもちろんファーストクラスで、本人+2名分。オールスター期間中の滞在ホテルもファーストクラスで、本人+2名分で最大2部屋、最大3日間ぶん用意されました。このほかに記念品の贈呈や、MLB選手会主催のパーティが開催されました」(以下、「 」は小島氏)
MVPですら賞金はないが、選手によっては所属球団との契約のなかに、オールスター選出ボーナスを入れているケースが多々ある。
「たとえば、昨季選ばれたツインズのカルロス・コレア(30)は、出場が決定したことで10万ドル(約1580万円)のボーナスが発生しました(後に怪我のため辞退)。そのほかにも、5名の選手が5万ドル(約790万円)を受け取ったとされています。これらはいずれも球団との契約上のボーナスであって、オールスターの賞金ではありません。
なお大谷選手は昨年、オールスター出場によりボーナスを受け取ったという報道は特になかったので、ドジャースとの契約のなかでそのようなインセンティブ条項は入っていないのでしょう」
ちなみに、昨季のNPBのオールスターのMVP賞金は300万円だった。一方、オールスター前日に開催されるMLBのホームランダービーの賞金は、NPBのそれとは桁が違いすぎるのだ。昨季、NPBの優勝賞金が100万円だったのに対し、MLBは100万ドル(約1億5800万円)、2位でも75万ドル(約1億1850万円)が贈られた。そのほかの6名の参加者にも、一人あたり12万5000ドル(約1975万円)が支給され、大盤振舞いだと話題になったほど。
ホームランダービーは、昨年から8人が参加する1回戦、準決勝は40球、決勝は27球と球数制限も加わり、限られた時間のなかで何度も強振するため、過酷な戦いといわれている。
そのため、昨季の覇者であるドジャースのテオスカー・ヘルナンデス(32)や、ヤンキースのアーロン・ジャッジ(33)も早々と辞退を申し入れた。大谷も、現行のルールでは厳しいと不参加を表明し、今季も両リーグの顔ともいえるジャッジと大谷が揃って出場することはかなわなかった。
一方で、年俸が安い若手にとっては、優勝賞金が魅力的に映るのも当然だろう。
「2022年に参加したマリナーズのフリオ・ロドリゲス(24)は決勝で敗れましたが、2位で75万ドル(当時のレートで約1億円)を獲得。ちなみにこの年の彼の年俸は70万ドル(約9500万円)でした。
さらに年俸以上の賞金を獲得したのは、いまや “ホームランダービーの顔” ともいえるメッツのピート・アロンソ(30)で、新人だった2019年は年俸55万5000ドル(約6000万円)に対して、優勝賞金が100万ドル(約1億700万円)。2021年に再び優勝したときも、賞金100万ドル(約1億1000万円)に対して、年俸は67万7000ドル(約7450万円)でした。
なお、大谷選手はエンゼルス時代の2021年に参加。残念ながら1回戦敗退でしたが、賞金15万ドル(約1650万円)をエンゼルスのスタッフに全額寄付したと報道されています」
“本場の球宴” には夢が詰まっている!