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チェルシーFC、FIFAクラブW杯優勝「167億円」獲得の快挙も…トランプ大統領の “表彰台居座り” で台無し

FIFAクラブW杯2025で優勝したイングランドのチェルシーFC(クラブの公式Xより)
サッカーのクラブ世界一を決める「FIFAクラブワールドカップ2025」は、イングランドのチェルシーFCがフランスのパリ・サンジェルマン(PSG)を3-0で下し、初代王者に輝いた。
同大会は世界6カ国から32チームがアメリカに集結して激戦を展開。そのレベルの高さに見合うかのように、賞金総額は約1500億円。優勝賞金も約166億8000万円と莫大だ。2022年カタールW杯の優勝国アルゼンチンが手にした約59億円をはるかに凌ぐこともあり、「W杯より価値ある大会」との評価もあった。
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その一方、各国とも長いシーズンが終わったばかりのこの時期に、大会に参加することは選手の休養を奪うことにつながり、ケガをともなう危険性があると、世界の名将から反対意見が多かったことも事実だ。
そうした懸念が当たってしまったのが、準々決勝のPSG対バイエルン・ミュンヘンの一戦。PSGのGKドンナルンマの無謀とも思える飛び出しでバイエルンのジャマル・ムシアラと激突。ムシアラは左足首の脱臼にともなう腓骨(ひこつ)骨折と診断され、即刻手術。復帰は早くても11月以降になる見通しだ。
同大会はアメリカ開催ということもあり、優勝メダルやトロフィーの授与の大役はトランプ大統領が務めた。だが、試合中にトランプ大統領がオーロラビジョンに映し出されると、観衆は一斉に大ブーイング。
当の大統領は苦笑いを浮かべて余裕の表情だったが、試合中はサッカーに興味がないことはありありといった表情で、なんとなくピッチに視線を向けている姿が印象的だった。
そして、優勝トロフィー授与で “事件” は起こった。新設の大会にふさわしい奇抜な優勝トロフィーをトランプ大統領がキャプテンのリース・ジェームズに手渡す。
通常であれば、手渡し役はすぐにその場を離れることで、キャプテンにとって晴れの舞台である “トロフィーリフト” をサポートする。それがサッカー界では常識だ。
ところが、トランプ大統領はその場を動こうとせず、FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長に壇上から降りるように促される始末。それでも居座り続けたトランプ大統領は、なんとそのまま中央に陣取り、一緒になって優勝を喜んだのである。
「サッカーを長いこと取材していますが、初めての光景でした。プレゼンターが居座り、一緒に喜ぶなどもってのほかです。知らなかったでは済まされない。それが大統領としてもです。
今大会でMVPを獲得したコール・パーマーは『トロフィーを掲げるときまで壇上にいるとは思っていなかった。正直、少し混乱していた』と語っていましたし、米紙『USA Today』は『トランプ大統領はチェルシーの優勝を台無しにした』と断じました」(サッカーライター)
当然、Xでもトランプ大統領の行動に疑問の声があがった。
《いつまで居る気だ?》
《優勝したのはチェルシー けど美味しい所を持っていったのは トランプ大統領》
《大統領がFIFAクラブワールドカップ優勝盾をチェルシーに授けた後もその場に留まり、チームの一員のごとく振舞ったのはおかしい》
アメリカではアメリカンフットボール、バスケットボール、野球、アイスホッケーが4大スポーツと呼ばれ、絶大な人気を誇る。サッカーのメジャーリーグサッカーには、リオネル・メッシなど世界的なスーパースターが所属しているが、4大スポーツに比べればあらゆる面で差をつけられているのが現状だ。
しかし、2026年に北中米W杯も控え、開幕戦の会場にはメキシコシティの聖地アステカが選ばれ、決勝はニューヨーク・ニュージャージーを舞台としておこなわれることが決まっている。
となれば、トロフィー授与はまたしてもトランプ大統領となるのだが、はたして……。