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田中将大、2軍の3試合で被安打27&失点13の散々…日米通算200勝まであと2勝も「高すぎる壁」

2025年5月1日、広島戦で先発起用されるも翌日に登録抹消となった田中将大
日米通算200勝まであと3勝として臨んだ今シーズン。今年こそ達成できるのか……。
田中将大投手は4月3日の中日戦に初先発し、5回5安打3四球とまとめた。たびたびランナーを出すも、失点はわずか1。幸先よく巨人での1勝、通算198勝めをあげた。しかし、続く横浜DeNA、広島にはともに4回もたずにKOされている。5月2日には登録を抹消され、以後、その姿を1軍で見ることはない。
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ただ、田中は2軍で腐っているわけではなかったという。
「6月とは思えぬ猛暑のなか、若い選手たちに交じって懸命に体を動かしていました。その姿から『通算200勝より、もう一度あの舞台に』という思いが強く感じられましたね。
2軍合流当初は、若い選手たちにとっては雲の上の存在なので近寄りがたいし、軽く口をきけるような感じでもなかったようです。でも、日々の努力を知るうちに、彼の周囲には自然と輪ができてコミュニケーションも取れるようになった。同時に調子も上がってきたようでした」(巨人担当記者)
その兆しが見えたのが6月18日のイースタン・リーグのロッテ戦だった。6月とは思えない猛暑のなか、田中は6回を5安打無失点に抑え込んだ。かつてのように力でねじ伏せる投球スタイルではなかったが、要所要所にこの日最速の147キロの速球を見せ球にして抑える投球術は、さすがと思わせるものだった。
この結果を受け、桑田真澄2軍監督は「1軍で投げさせてあげたい。僕がイメージしていたのは今日の感じ。マー君にこの感じが出れば勝てると思う。1軍でも十分に貢献できる。今日は非常によかった」と絶賛。
1軍の杉内俊哉投手チーフコーチも「結果を出し、安定していますからね。うちのピッチャー陣になにかあれば呼ぼうとは思っています」と早期の1軍復帰を思わせるコメントを残していた。
しかし、阿部慎之助監督だけが「いまのところ、ちょっとね。(先発ローテに)入り込めるところがないので、(2軍で)継続して頑張ってほしい」と、すぐに昇格させる気持ちがないことを明言している。
「6月19日の時点で、巨人は交流戦も含め、32勝33敗2分けの4位と苦戦していました。それだけに、1軍の若い投手陣の “起爆剤” としても田中の昇格が急がれると思われていました。ところが、阿部監督だけが『時期尚早』の意見。これには疑問が残る、といった意見が巨人の周囲でも多く出ました」(同)
しかし、わずか数日で阿部監督の見立てが正しかったことが判明する。
6月25日の対DeNA戦では、4回2/3ながら95球も投じ、しかも14安打を浴びての6失点KO。続く7月2日ヤクルト戦でも、5回被安打8、4失点と散々な結果となった。中6日での登板となった9日の西武戦では、6回3失点で4勝めをあげたが、初回には2ランを含む3失点を喫している。
結局、田中は3試合に先発し、計15回2/3を投げ被安打27、失点13という散々な結果に終わっていたのである。
「この結果を見ると、6月18日の好投は『しょせん2軍戦だから』と阿部監督はわかっていて、周囲を戒める意味で言ったとしか思えません。
今季、阿部監督の采配にはメディアだけでなくファンからも多くの疑問が投げかけられていますが、田中に関する見立てだけは、冷静に判断していたと言えるでしょう」(スポーツ紙デスク)
当の田中はというと「魔改造再び」とばかりに、春季キャンプで指導を受けた久保康生巡回投手コーチとのトレーニングに明け暮れている。
ただ、Xでは、
《魔改造はマー君に合ってない気がする》
《魔改造が裏目だったのかね?》
《春先にウザいくらいに魔改造魔改造言われてたのは何だったのか》
と、否定的な意見が多く投稿されている。
日米通算200勝まであと2勝だが、壁が高すぎるか──。