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ドジャース 高額年俸の「クローザー4投手」離脱の悪夢…中継ぎにも懸念ありで二連覇に“黄色信号”

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記事投稿日:2025.07.23 19:51 最終更新日:2025.07.23 20:29
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
ドジャース 高額年俸の「クローザー4投手」離脱の悪夢…中継ぎにも懸念ありで二連覇に“黄色信号”

2025年7月20日、怪我でマウンドを降りたドジャースのタナー・スコット(写真・アフロ)

 

 21世紀初のワールドシリーズ(WS)連覇に向けて戦力補強をしたロサンゼルス・ドジャースだったが、早くも“黄色信号”がともってしまったのかもしれない──。

 

 2025年7月20日、ドジャースのタナー・スコットは、ツインズ戦で8回2死、一、三塁から救援し、イニング跨ぎで9回も続投。その結果、自らベンチに“ダメ出し”のサインを送り、緊急登板となった。試合翌日、球団はスコットを左肘の炎症で15日間の故障者リスト(IL)に登録すると発表した。

 

「今季ドジャースのクローザー陣の故障が多発しているんです。開幕前には実力に遜色ないクローザー候補が4人もいたので想定外の展開でしょうね。監督たちは彼らの調子、対戦相手との相性、登板間隔を見て、投入するクローザーを決めるという『クローザーを1人に固定しない戦略』を取ろうとしていたくらいですから。悪夢ですよ」(現地記者)

 

 

 その4名のクローザーを紹介しよう。

 

 大谷翔平加入前の2023年にフォーシームとスライダーを武器に24セーブを挙げたエバン・フィリップス。年俸は9億1500万円。続いて、196cmの長身ながら、サイド気味から繰り出すスライダーやシンカーがよく動く、いわゆるクセ球が持ち味のブレイク・トライネン。2024年のポストシーズンでは9試合で2勝0敗、3セーブ2ホールド、防御率2.19を記録してWC制覇に貢献した37歳ベテラン投手の年俸は16億5000万円。

 

 さらにマイケル・コペックはコントロールに難はあるが、160キロ超えのフォーシームは、来るとわかっていてもなかなか打てない。年俸はやや落ちて7億8000万円。そして、最後は今季加入のタナー・スコット。昨季はマーリンズで44試合、ド軍最大のライバルであるパドレスでは28試合と、計72試合にも登板したタフさも大きな魅力だ。年俸は4人の中で最高額となる28億円だ。今季ド軍は4人のクローザーを揃えるために、計36億2500万円を投じたのだ。

 

 ところが、コペックが右肩の不調で開幕をマイナーで迎えたことが、後の“クローザー陣崩壊”の始まりだったといえる。シーズン早々の4月にトライネンが右前腕部分の張りで離脱。そして夏を感じられる季節に入ると、ド軍にとってはまさに悪夢の連続だった。

 

 まずフィリップスが6月初めにトミー・ジョン手術を受けることになり、今季の全休が決定。続いてコペックは右肩の不調からメジャーに復帰していたが、7月9日(日本時間10日)には右膝の半月板損傷の手術で長期離脱が決定してしまう。一人抜け、また一人抜けて残されたスコットの左腕もむしばまれていた。ちなみにフィリップスとコペックは登録抹消時、防御率はなんと0.00だった。

 

「これでド軍のクローザー候補4人ともIL(負傷者リスト)入りですからね。まさに“そして、誰もいなくなった”状態です。チームは今季途中にレッズから加入したアレクシス・ディアスを再昇格させましたが、2023年に37セーブを挙げたときの力はないので、彼一人にクローザーを任せることは無理です。トレード期限は7月31日までですが、ド軍の最優先補強はクローザーになるはず。ツインズのジョアン・デュランらが候補になりますが、出す選手も有望株になりますから、かなりの“出血”を覚悟しなければいけません」(現地記者)

 

 スコットのIL入りが発表されたその日、ド軍にまたしても激震が走った。ツインズ戦で山本由伸のあとを継ぎ、6回に2番手として登板したベン・カスパリウス投手が1死も取れずに緊急降板したのだ。その様子から見て軽傷には見えなかった。カスパリウスはここまで30試合、64イニングに登板。そのイニング数から見ても分かるように、ロングリリーフを厭わずブルペンを支えてきた存在だ。

 

 中継ぎ、抑えの補強が急務のド軍は、果たしていかなる決断を下すのか。トレード市場の扉が閉まるまで目が離せない。

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