スポーツ
大谷翔平、後半戦11試合で20三振の“暗雲”…速球には振り遅れ指摘も

2025年7月29日、レッズに勝利したドジャースの大谷翔平だったが…(写真・アフロ)
7月29日(日本時間30日)、シンシナティに乗り込んだドジャースは、レッズに5-4と勝利。試合後、ド軍ベンチは喜びを爆発させた。
なぜなら相手はナ・リーグ中地区で強豪ブリュワーズ、カブス相手に調子を上げてきたレッズ。その難敵に逆転勝ちしたからだ。そんななか、ひとり蚊帳の外だったのが大谷翔平だった。
大谷はこの日、5回打席に立ったが、1回表の最初の打席から、7回表の第4打席まで4連続の三振を喫していた。しかも1回表の打席以外、すべて塁上にランナーがいた場面だったので、もし大谷に一発が生まれていたならば、接戦にはならなかったはずだ。そして最後の第5打席は、1死一塁でライトフライに倒れた。
関連記事:【当事者告白】大谷翔平「12億円豪邸」での「YouTuber排除事件」日テレ&フジ“出禁”の裏には“元相棒”一平被告のクビが
オールスターを挟み、MLBの後半戦は7月18日(日本時間19日)からスタート。それとともに大谷は日本人選手としては初となる5試合連続ホームランを放つなど、絶好調と伝えられていた。特に好調の要因として挙げられたのが、本塁打5本のすべてが逆方向への打球だったからだ。
「これまでも大谷の好調のバロメーターと言われたのが『本塁打を含めた長打がセンターから左に集中したとき』と言われてきました。確かにその指摘はあっていますが、オールスター明けに関しては当てはまらないと言われています。というのも、5本のホームランがすべて変化球だったこと。そして、内角高めのフォーシームをほとんど空振りしていたことが、その理由です。言い換えれば、いいときのバロメーターである左方向の打球は、狙ったものではなく、そこにしか打てなかったから。内角の速い球には振り遅れて空振りが多く、引っ張りたくても引っ張れなかったというのが現地の分析です。なので、日本で言われているように絶好調というわけではないのです」(現地記者)
5試合連発時の打撃成績は、21打数6安打、打率.286。気になるのが、三振が9もあることだ。また、ホームランが途切れた7月26日(同27日)から4三振を喫した29日(同30日)までの5試合の成績は、20打数5安打1本塁打、打率は.250だが、それまでの5試合同様三振が10と多い。後半戦11試合で20三振となれば、1試合に2個近く三振を喫する計算となる。
「大谷は、ホームラン打者なので三振が多いことは仕方がありませんが、19三振は多すぎます。こちらでは外に変化球のボール球を見せてカウントを整え、『最後は内角高めの速球で打ち取れる』といった見方が強まっています。それだけスイングは鈍く、振り遅れが目立っています。暗雲が立ち込めてきたということでしょうか」(同前)
では、どうすれば不調から脱することができるのか。「一にも二にも適度な休養です」と続ける。
「今季ド軍はここまで108試合を消化していますが、大谷が休んだのは“父親リスト”入りでの2試合だけです。ド軍でほかに100試合以上出場しているのはアンディ・パヘズ外野手だけです。でも彼はまだ24歳の若さです。大谷の場合、DHだけならこれだけ試合に出続けても問題はないかもしれない。
でも、彼は6月16日(同17日)で“二刀流”に復帰したわけです。今まで使わなかった筋肉などを使い、疲れが相当たまっているはずです。球数、投球イニングも増やしています。となれば、ほかの選手と同様、適度な休養を取るべきです。でも、大谷に聞けば『問題ない。出ます』となる。これはエンゼルス時代から続いています。では、エンゼルスではどうなったのか。首脳陣の制止を聞かず、首脳陣も強く言えず、結果、トミー・ジョン手術を2度受けることになりました。いまこそデーブ・ロバーツ監督は、大谷と喧嘩してでも休ませなければいけないと思います」
大谷の目標がMVPなど個人タイトルならば、出続けることを主張するのも仕方がないかもしれない。だが、彼の目標はあくまでもワールドシリーズの連覇だ。これからリーグは佳境を迎え、その後地区、リーグの優勝決定戦からワールドシリーズ(WS)へと入っていく。いま無理をして、その大事なときに大谷がいなければ元も子もないのである。