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【ミラノ五輪メダル候補たち】上田絢加(スキーモ)サントリー社員からの転身! 夢は五輪出場と世界三大レース完走

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記事投稿日:2025.08.01 06:00 最終更新日:2025.08.01 06:00
出典元: 週刊FLASH 2025年8月12日号
著者: 『FLASH』編集部
【ミラノ五輪メダル候補たち】上田絢加(スキーモ)サントリー社員からの転身! 夢は五輪出場と世界三大レース完走

元サントリー社員という異色の経歴(写真・金谷千治)

 

 スキー登山を融合した山岳競技のスキーモは、日本では馴染みは薄いが、ミラノ五輪の追加競技に選ばれた。選手はレース用に軽量化されたブーツとスキーを履き、雪山を駆け上がる。斜面の途中でスキーを外して背負い、ブーツで走って登る区間を経て、再び板を装着して滑り降りる。こうした一連の動作でタイムを競う競技だ。

 

 五輪では、1周3分〜3分半のコースで順位を争う「スプリント」、男女一人ずつのペアでコースを交互に周回する「混合リレー」の2種目が実施される。

 

 そんな新競技スキーモで五輪出場を目指しているのが、元サントリー社員という異色の経歴を持つ上田絢加だ。

 

 

「もともとは山岳マラソンのスカイランニングをやっていて、その強化のために始めました。当時は会社員で、世界選手権にも出ていましたが、あくまで趣味の延長。スキーモが五輪種目に決まったときも、どこか他人事でした。でも、『挑戦しなかったら一生後悔するかも』と思うようになったんです」

 

 なぜ、スキーモにハマったかといえば、「そもそも山や自然が好きだから」と笑う。

 

「30歳手前で会社を辞めて五輪を目指すなんて、無謀に思われるだろうけど、私は競技歴が浅いし、練習すればするほど成長を実感できる。心がすり減っていないし、今が楽しいんです」

 

 その言葉どおり、上田は昨季世界選手権のスプリントで日本人最高の15位に入るなど、国内女子選手の中でトップを走っているのだが……。

 

「残る五輪選考レースは、12月の米ユタ州でのW杯のみ。(スキーモの五輪出場枠は、男女それぞれ18枠と狭き門で)出場権確保は簡単ではないですが、そこに集中するだけです」

 

 上田にとって競技を続ける目的は、五輪出場だけではない。

 

「スキーモにはもっと長距離で、複数人で氷河を越えるような種目もあります。なかでも、『ピエラメンタ(フランス)』『PDG(スイス)』『メッツァラマ(イタリア)』は世界三大レースと呼ばれ、すべて完走した日本人女性はまだいません。ピエラメンタは完走しているので、いつか残りふたつに挑戦したいです」

 

うえだあやか
1993年2月10日生まれ 大阪府出身 神戸大卒。2018年からスカイランニングとスキーモの“二刀流”。2020年にスカイランニング日本選手権優勝、スキーモでは2023、2025年に世界選手権出場。中央カレッジグループ所属

 

写真・金谷千治
取材&文・栗原正夫

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