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阪神・藤川監督 四番・佐藤輝の“美女お持ち帰り報道”に「おめでとう」の余裕、防御率1点台の“投手王国”でVへ死角なし

2025年7月30日、広島に勝利して優勝へのマジックナンバー「39」が点灯した阪神。藤川監督(左端)は笑顔でハイタッチ(写真・共同通信)
8月の声を聞くにあたり、全12球団の残り試合は概ね50試合ほどになってきた。そんななか、セ・リーグでは阪神の充実ぶりが目立つ。7月30日現在、94試合を消化し、57勝35敗2分けで勝率.620。2位巨人との差は11ゲームあり、同日には優勝へのマジックナンバー「39」が点灯した。
今季に向けての前評判は高かった阪神だが、ここまでの独走はなぜ起こったのか。阪神担当記者たちが分析する。
「まず挙げられるのが、指揮官1年めの藤川球児監督の存在でしょうね。まだ45歳と若いんですが、彼はNPB、MLB、そして独立リーグと、あらゆるカテゴリーを経験してきた。そのため、評論家時代から『野球をよく知っている』『分析力がすごい』と評判で、そういった知識を選手にさりげなくアドバイスしています。阪神の監督にしては珍しく、選手とのコミュニケーションを積極的に取るタイプなんです。へこんでいる選手、ちょっと気になる選手らに冗談を交えながらアドバイスするわけです。そのうえで選手が個性を発揮できる環境を作っています。このやり方は、岡田彰布前監督とは違うところですね」
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そして、藤川監督は投手出身だけに、「投手陣をさらに強化している手腕は見事」と続ける。
「昨シーズンでもチーム防御率は2.50でセ・リーグでは2番めとよかったわけですが、今季は全12球団で唯一の1点台、1.91ですからね。他球団からは“投手王国”と認められています。才木浩人、村上頌樹ら先発陣や抑えの岩崎優らに注目は集まりがちですが、中継ぎの及川雅貴が素晴らしい。チーム最多の43試合に登板しながら、防御率は0.86。まさに投手王国の象徴ですね。先発、中継ぎ、抑えとしっかりとした分業制を確立しています」(前出・阪神担当記者)
また、専門紙記者は「打撃面では佐藤輝明の充実が目覚ましい」と語る。
「佐藤は2024年12月の契約更改の席で、『(将来的には)MLBに挑戦したい』と球団に直訴したところ、ファンのみならず、球団OBからも『まだ早い』と結構なブーイングを浴びたわけです。でも、彼はそれで腐ることなく、自分を高めることに集中し続けました。それが今季の本塁打と打点のトップにつながっている。また、今年3月のプレシーズンマッチでは、ドジャースのサイ・ヤング賞2度獲得のスネルから3ランを放ちましたが、『あれが大きな自信になりました』と語っています」(専門誌記者)
今季の阪神には、誰が打線を引っ張るということではなく、まさに日替わりのようにヒーローが生まれていることも、独走の要因になっているという。また、いまの阪神には「スキャンダルを笑いに変える流れがある」と前出の担当記者は語る。
「週刊文春に佐藤、森下翔太、前川右京の『美女のお持ち帰り』が報じられましたが、ナインは『出ちゃいましたね』と笑いながらいじっていたと聞いています。藤川監督に至っては『おめでとう』と彼らに声をかけたとか。いまの阪神にはそうした明るさがあり、マイナス要素は見当たりません」(前出・阪神担当記者)
M39が点灯したことで、リーグ制覇は最短で8月27日。2023年に記録した9月14日を大きく超えるチーム最速Vも見えてきた。