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【パ首位争い】日ハム・新庄監督、就任4年めで見えてきた“日本一”「BIGBOSS」がパフォーマンス封印し“名将“に

選手を鼓舞する新庄剛志監督(写真・共同通信)
セ・リーグと違い、パ・リーグの首位争いは日ハムとソフトバンクが、毎日のようにデッドヒートを繰り広げている。
「昨季、新庄剛志監督就任3年めにして初めて、日ハムは勝率5割を超えて2位に躍進しました。そして、その成績が決してまぐれではなかったことを証明するように、今季はすばらしい戦いを見せています。その最大の要因は、新庄監督の存在です。彼は『育てながら勝つ』という、指揮官としてもっとも難しいことをやってのけています。投打ともに新しい選手が次々に出てくる。それを導いているのは新庄監督で間違いありません。周囲は就任4年めにして、早くも“名将”と評価しています」(スポーツ紙日ハム担当記者)
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就任当初は「『BIGBOSS』と呼んでほしい」と語るなど、パフォーマンスの部分ばかりが目立っていたが、「それも計算ずくだった」と記者が続ける。
「新庄監督就任前の日ハムは3年連続で5位と、人気も実力もどん底でした。言い換えれば、誰も注目していないチームだったわけです。その評価を覆すために、まずは自分が注目を集める作戦をとりました。2024年あたりから、人気・実力両面がかなり上がってくると、我々に対しても自分のパフォーマンスを封印して、『俺はいいからさ、〇〇選手をもっと取り上げてよ』とリクエストしてくるのです。選手も、取り上げてもらえることへの喜びを知り、もっとがんばろうと思うわけです」
また、民放関係者も新庄監督の選手への配慮に目を細める。
「世間では選手が活躍すると、『新庄チルドレンが……』や『選手が“新庄色”に染まって活躍している』と言いがちなんですが、新庄監督はそう言われることを本気で嫌っていますし、『言わないでくれ』と。活躍できるのは、あくまでも選手の努力の賜物だ、ということを言いたいわけです」
北山亘基投手は、2021年のドラフト会議で日ハムから8位指名を受けた。12球団全体では77人中、76番めの指名だったこともあり、それほど期待された選手ではなかった。当然のように、春季キャンプは二軍でスタートした。だが、視察に訪れた新庄監督は、北山がブルペンで投じたストレート3球を見て、「明日から(一軍へ)行こう」と、第2クールから一軍へ抜擢。その後、1年めは開幕投手をオープナーとして務めるなど活躍した。今季に至ってはローテーションをしっかり守り、6勝3敗で完投4はリーグトップタイ。防御率も1.57と、リーグ2位の好位置につけている。
「北山は、新庄監督が見出した投手。北山の話が始まると、本当にうれしそうに話します」(前出・スポーツ紙日ハム担当記者)
新庄監督は2024年10月に、新たに契約を結んだが、期間は1年間のみ。今後の契約はどうなるのか。
「当然、周囲は新たな契約を結べるよう、全力を尽くすでしょう。ただ、彼の性格からしても、優勝すれば退任すると見られています。それが日本一なら、なおさらでしょう。日本一になって自ら花道を飾りたい、と思っているはずですから。彼は策士であり、野球をとことん愛するアイデアマンでもあります。彼は就任して以来、一貫してサングラスとマスクを外さない。それは、ファッションとして取り入れているのではありません。サングラスで目の動きを、マスクで唇の動きを隠しているからなんです。ベンチ内やマウンドで何を話しているのかと、読唇術まで取り入れている球団もありますからね」(同前)
現在、10勝5敗とパ・リーグの勝ち頭となっている伊藤大海(ひろみ)は、MLBがいまもっとも注目している投手であり、本人も興味ありとの情報もある。もし日本一となったら、新庄監督とエースが同時にチームを離れることになるかもしれない──。