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阪神・石井大智投手、「41試合」連続無失点でプロ野球新記録…旧友の活躍を機に一念発起、今も前チームをスポンサー支援

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記事投稿日:2025.08.21 19:30 最終更新日:2025.08.21 19:58
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
阪神・石井大智投手、「41試合」連続無失点でプロ野球新記録…旧友の活躍を機に一念発起、今も前チームをスポンサー支援

2025年8月17日、40試合連続無失点を達成した阪神タイガースの石井大智投手(写真・共同通信)

 

 この男の “無双” ぶりは、まだまだ続きそうである。

 

 阪神タイガースの石井大智投手が、8月17日の巨人戦に登板し、偉大な記録を樹立した。2点リードで迎えた8回に登板すると、一死から岡本和真に内野安打を許したが、落ち着いて後続を打ち取り、得点を許さなかった。

 

 その結果、連続無失点試合は「40」にまで伸び、2021年に西武の平良海馬がマークした39試合を破るプロ野球新記録となった。

 

 

 偉大な記録を打ち立てればホッと一息つきたいところだが、この男には “休息” という文字はないのだろう。2日後の中日戦でも8回に登板。何事もなかったかのように1回を零封すると、記録は41試合に伸びた。

 

 これは、MLBのライアン・プレスリー(当時アストロズ)、ジョシュ・ヘイダー(当時ブルワーズ)の記録を抜いたことになるが、両投手とも年をまたいでの記録であり、1年で40試合以上無失点は石井ただ一人である。今季は44試合に登板し、防御率は驚異の0.20だ。

 

 セリーグを首位で駆け抜ける阪神のまさに縁の下の力持ちとして活躍する石井。そんな彼は、一風変わった経歴の持ち主だ。

 

「石井は秋田工業高等専門学校出身。じつは、NPB唯一の高専出身の選手なんです。高専4年時には就職先も決まっていましたが、野球をあきらめきれず、高野連の大会出場資格を失った4年および5年時は体力づくりに専念し、練習試合に出場させてもらって腕を磨きました。

 

 その後、四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグス(以下、高知FD)でドラフト4位指名をもらい、入団しました。

 

 ただ、当時はそれほど期待されていた選手ではなく、元監督の駒田徳広氏は後のインタビューで『NPBに行ける選手ではなかった』と振り返っています」(スポーツ紙記者)

 

 当時の監督からも有望株と認識されていなかった石井が、どうやって一流選手の階段を登れたのか……。“下積み時代” をよく知る、高知FDの関係者が語る。

 

「確かに入団時はストレートの球速も140kmに満たない程度の投手でしたが、彼は自分で課題を見つけ、試しては改善することができる選手でした。まじめで探求心があった。しかも、負けん気も強かったんです。

 

 2015年に秋田東中の同級生だった成田翔さんが、ドラフト3位でロッテに入団したことが大きなターニングポイントになりました。『あいつがプロに行けるなら俺も』と、彼の負けん気スイッチが入ったんです。

 

 そのころから球速を上げるコツを掴み、2019年ころにはストレートが150kmを超えるようになったと思います」

 

 旧友の活躍を糧に闘志を燃やし、結果として2020年、阪神からドラフト8位で指名されて念願のプロとなった。高知FD関係者は「彼は仁義深い男でもあった」と続ける。

 

「阪神に入団後も、個人的に高知FDの球団スポンサーとなって支援を続けてくれているんです。よくプロ入りした選手が母校に野球用具を寄付する話は耳にしますが、個人スポンサーになったという話は聞いたことがありませんね。いまでもオフになると毎年顔を出して、ゴルフコンペにも参加してくれます」(前出・高知FD関係者)

 

 優しい気持ちは “最愛の人” にも向けられていた。8月16日、阪神の岡田彰布オーナー付顧問がMBSテレビ『せやねん』に生出演。監督を務めていた昨季、石井から「妻の出産に立ち会いたい」という意向を聞き、「ブルペン入れているような感じで、休ませているんですよ。出産に立ち会いたいということで、“こっちでうまいことやっとくから、行ってこい” いうてね」と語った。

 

「奥さんは、石井が高知FD時代、球場アナウンスの仕事をしていました。2人は少しずつ距離を縮め、2025年1月に結婚。奥さんは “無失点夫” の食をサポートするため、アスリートフードマイスターの資格を取得したそうですよ」(前出・スポーツ紙記者)

 

 プロ野球新記録は、献身的なサポートゆえだったのか。

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