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大坂なおみ、全米オープンベスト4で敗退も見せた“復調の兆し”弱点克服、出産乗り越え独特ウェアが話題に

2025年9月5日、全米オープンテニス女子シングルス準決勝で敗れた大坂なおみ(写真・アフロ)
9月5日、全米オープンテニス女子シングルス準決勝がおこなわれ、大坂なおみはアマンダ・アニシモバ(アメリカ)に7-6、6-7、3-6のセットカウント1-2で敗れた。試合時間も3時間に迫る長丁場で、まさに死闘だった。
「スコアからも分かるように、大坂に勝つチャンスは十分ありました。それだけに残念でなりませんが、率直に言って『よくここまで戻ってきてくれたな』というのが感想です」(テニスライター)
大坂は2018年に全米で初優勝を果たすと、その後、全米ではさらにもう一度、全豪も二度制するなど、しばらくは「大坂時代が続く」とさえいわれる存在となった。しかし、“黄金期”は長く続かず、世界ランク1位から85位まで転落を経験した。
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「ケガも大きな原因でしたが、メンタルの弱さもありました。ミスやリズムを乱して落ち込む気持ちをため続けると、試合中でも涙を流し、試合後なら会見を途中で取りやめるなんてこともしょっちゅうでした。はかり知れないポテンシャルを持ちながら、メンタル面での不安が指摘されることが多かったんです。
しかし、今回は弱点を克服した大坂を見ることができました。復調の兆しが見えましたよ。まず、技術面ではかなり身体を絞り込んだことによって、いままで以上に走れるようになった。ショットもパワーの一辺倒ではなく、緩急をつけるなど引き出しも増えていました。精神面の安定も見逃せません。ミスが重なってイライラする場面はあったと思いますが、いままでのように、立ち止まって下を向いてため込むのではなく、タオルを置いてあるところに行って、時間を作ったりしてリズムを変える。審判から遅延行為とみなされて警告を受けることもありましたが、それでも臆することなく、わざと繰り返すこともやった。自分のメンタルをコントロールできていました」(同前)
結果は準決勝敗退も「世界最高峰の舞台で再び戦えることを証明した大会になりました」と続ける。
「何よりすごいことは、大坂は2023年7月に出産を経験し、2年あまりでここまで戻ってきたことです。それだけ女性アスリートにとって、出産からの復帰はたいへんなこと。過去に同じ舞台に戻って活躍できたのは、バレーボールの荒木絵里香さん、陸上100mハードルの寺田明日香さんら、ごくわずか。それこそが出産のたいへんさを物語っている。大坂は日本人初のグランドスラムを制した選手ですが、今回のベスト4は、それと同等に評価されるべきことだと思います」(同前)
またプレーだけでなく、ウェアの面でも大きな注目を集めた。
「大会では、各スポーツメーカーが、契約している選手たちに新作ウェアを着て、プレーしてもらうことが多いわけです。そこで注目されれば、売り上げにも大きく影響します。言い換えれば、格好の宣伝の場にもなるわけです。
2025年は、大坂が着用していた紫色のテニスウェアと、バッグにつけていた人気マスコットキャラ『ラブブ』が話題となっていました。ほかにも2024年は、背中に大きな緑色のリボンをつけたウェアが独特だと盛り上がりました。メーカー側からしたら大喜びといったところでしょう。一部のファンからは『故・大屋政子さんに似ている』との声があがるほどの奇抜さでした(笑)」(スポーツメーカー関係者)
プレーでもウェアでもインパクトを残した大坂は、全米のハイライトのひとつだったことは間違いない。