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渋野日向子、「日本ゴルフ女子勢」躍進の中で10試合予選落ちの“蚊帳の外”状態‥ランキングは101位まで転落

渋野日向子
今季のLPGAツアーでは、日本勢の躍進が話題となっている。これまでの最多となる13人の女子プロが参加しているが、とくに1年めのルーキーたちの活躍が目覚ましい。3月の『ブルーベイLPGA』で竹田麗央が先陣を切ると、その後も5月の『リビエラマヤオープン』で岩井千怜、8月にはメジャー大会の一つ『AIG女子オープン』で山下美夢有、『ザ・スタンダート・ポートランドクラシック』で岩井明愛が続き、4人ものルーキーチャンピオンが誕生した。2年めの西郷真央も負けていない。4月のメジャー大会の『シェブロン選手権』は大逆転を演じ、初勝利をメジャー大会で飾るという快挙を成し遂げた。
まさにLPGAツアーで日本女子は繁栄のときを迎えているが、残念なことに過去に優勝経験のある2人が“蚊帳の外”状態で苦しんでいる。渋野日向子と笹生優花である。
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渋野は2019年にAIG女子オープン、笹生は2021年と2024年の全米女子オープンと、ともにLPGAのメジャー大会を制しているが、今季はまさに絶不調。ポイントランキングでは渋野が101位、笹生が124位と大苦戦中なのである(LPGAツアー未勝利の西村優菜は138位)。
「2人はアイアンの不調など共通している部分がありますが、不調を脱出する方法を聞かれた際の発言が似ているんです。渋野が『何と言えばいいのかわからない』と言えば、笹生は『答えが何かありますかね』と、ともに答えに窮しているのです。技術とメンタルの両面で不安定な状態である点も同じです」(ゴルフライター)
ただ、何とか好成績を残し、ランキングを上げなければならない理由がある。
「シーズン終了後に、ランキングで80位以内なら来季のフルシードが決まり、そこから100位までに入れば、出場試合は減りますが準シード権が得られます。また、10月からはアジアシリーズが始まりますが、出場選手が絞られるためポイント下位の選手にはチャンスがなくなる。笹生は2024年の全米オープン優勝により5年のシード権を持っているため大丈夫ですが、渋野にはない。未勝利の西村同様、渋野は正念場です」(同前)
渋野は今季20試合に出場しているが、トップ10に入ったのは全米女子オープンで7位となった一度だけ。20試合中半分の10試合が予選落ちと、深刻なデータもある。とはいえ、10月からのアジアシリーズに出場するためにも、9月11日から始まる『クローガー・クイーンシティ選手権』では一つでも上位に食い込んでポイントを稼ぐしかない。それが来季もLPGAツアーに残る条件につながっていく。