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鈴木誠也「来年の契約更新」見込みなしで「NPB」帰還濃厚か…評価が高いのに再契約されない3つの「足かせ」とは

シカゴ・カブスの鈴木誠也
2025年シーズン、MLBナ・リーグ中地区で2位につけ、ポストシーズン(PS)進出が確実視されているシカゴ・カブス。
好調の要因のひとつが、今永昇太投手と鈴木誠也外野手の日本人コンビによる活躍であることは間違いない。
とくに前半戦の鈴木の活躍は見事なものだった。序盤に右手首痛で4試合を欠場したものの、前半戦は92試合に出場し、25本塁打。これは “チームの顔” であるPCAことピートクロウ・アームストロング外野手と並んでリーグ4位タイ。そして、77打点はリーグ2位タイとタイトルさえ狙えるところにいた。
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カブスのカウンセル監督は「セイヤは素晴らしい前半戦を送ったと思う」と前置きしたうえで、決して「フロック」ではないことを強調。「確かに前半戦の打撃成績はどれも素晴らしいが、昨年までとそれほど変わっていないと思う。つまり、これは彼が過去数年もどれほどよかったかを示すものでもある」と褒め称えたのである。
そうした評価はチームメイトも同様で、ベンチ内ではいつも鈴木の周りに選手が集まり、笑顔が絶えない。成績も素晴らしく、人間的にも慕われている鈴木。ところが、カブスとしては「来年の契約延長の交渉には入らないだろう」と現地記者は指摘する。それはなぜか。
「いくつかの要因があると思います。まずあげられる1つめの理由が、好不調の波が大きすぎる点でしょう。確かに前半戦は素晴らしかったんですが、後半戦は48試合に出場して本塁打はわずか2本、打点も14しかあげていません。
8月6日以降、31試合連続で本塁打なしと、前半の活躍がウソのような失速ぶりなんです。9月の月間打率も.211と低迷し、最近ではケガ以外でもスタメンを外れることがあります」
年俸が高いことも「足かせになっている」2つめの理由だ。
「NPB時代の鈴木の守備には定評があり、ゴールデングラブ賞を5回も獲得するほど。ところが、アメリカではイージーミスが多く、『守備がうまい選手とは言えない』という評価です。
だからこそ、今季はDHでの起用が多い。でも『DHならもっと打撃で活躍してくれ』『この成績なら年俸25億円以上は高すぎる』というのがカブスの本音なんです」(同)
さらに、鈴木の再契約には、主力の去就まで絡んでいるというから話がややこしい。
「鈴木からライトのポジションを奪ったカイル・タッカー外野手が、今オフFAとなります。ドジャースも狙うほどの大物であり、まだ28歳という若さなので、彼と契約するには、900億円を超える契約金が必要と言われています。
カブスにとって、タッカーを引きとめることが最優先ですから、ほかのことには財布のひもを締める必要があるわけです。タッカーに使うお金が多くなれば、鈴木との再契約は難しいでしょう。これが3つめの理由で、そうしたらNPBに戻ってくるのではないでしょうか」(同)
鈴木は9月14日(日本時間15日)のタンパベイ・レイズ戦を体調不良のため欠場。これでスタメン漏れは3日連続となった。キャリアハイの成績を残しながら、崖っぷちに追い込まれていることは間違いないようだ。