
体のキレが落ちてきたネイマール(写真:ロイター/アフロ)
2026年北中米W杯に向けた強化の一環としておこなわれる『キリンチャレンジカップ2025』は、10月10日のパラグアイ戦、14日のブラジル戦と続き、日本代表の “現在地” を確認するには格好の相手となる。
列強が揃う南米予選を勝ち抜いてきた両国。とくにブラジルには過去12回対戦し、0勝2分10敗、5得点34失点とまったく歯が立たない。それでも今回はホーム開催で、近年「最強」と謳われるサムライブルーだけに、期待は大きい。
ただ、気になるのは、メンバー発表後に主力の離脱者が相次いだことだ。DFリーダーの板倉滉に続き、キャプテンの遠藤航も筋肉系のトラブルで不参加となった。さらに攻撃陣最大のストロングポイントである三笘薫も、コンディション不良でメンバー入りさえできずにいる。
一方、ブラジルも正GKのアリソンを筆頭に、DFウェズレイ・フランカ、DFヴァンデルソンがケガのために辞退している。
こうしたなか、日本のファンが今回のメンバー発表でいちばん驚いたのは、ネイマールが落選したことではないか。なぜネイマールは “セレソン(ブラジル代表の意)” の選外となったのか。
「残念ながら、ネイマールは下り坂と言っても過言ではないでしょう。発端は2023年8月にサウジアラビアのアル・ヒラルに移籍したことです。ほかの選手同様、高額なサラリー目当ての移籍だったことは明らかです。
それまで所属していたバルセロナやパリ・サンジェルマンとはクラブもリーグのレベルも違うわけですから、コンディションが整っていなくても簡単にプレーできてしまう。そうした慢心もあり、調子は徐々に落ちていきました。
2年の契約期間でしたが、膝の前十字靭帯断裂の重傷を負って1年間の長期離脱を強いられました。ようやく復帰したのに今度は太もものハムストリングを痛めて再び離脱。
結局、契約期間を残して2025年1月にアル・ヒラルとの契約を解除しましたが、ネイマールにとって初の中東挑戦では得るものは何もなかったと言えます」(サッカーライター)
その後、古巣ブラジルのサントスに移籍したが、かつての輝きを取り戻すには至っていない。そればかりか、頬を覆う髭で分かりにくいがよく見ると、かなりふっくらしていることがわかる。
「体重オーバーから、体のキレも運動量も不十分です。本人はセレソン復帰に意欲的ですが、このままでは難しいでしょう。なにしろ、ブラジル代表監督にイタリア人として初めて就任したカルロ・アンチェロッティ監督は、規律に大変厳しい人です。
これまでも何度かネイマールを選外にしましたが、理由は一貫しています。『技術面について議論の余地はない。フィジカルコンディションを重視している』ということです。要するに、体を絞って本来のコンディションに戻す必要があるわけです。それができなければ、2026年北中米W杯出場は無理ですね」(同)
ネイマールは日本戦に過去5試合出場し、通算9得点1アシストと圧倒的な結果を出している。逆に言えば、ネイマールがいない今回こそ、日本は初勝利をあげるチャンスでもある。