
日本代表主将の石川祐希(左端)を擁するペルージャ(写真・共同通信)
10月7日、東京・有明アリーナで行われたバレーボールの『ワールドチャレンジシリーズ』。日本代表主将の石川祐希を擁するペルージャ(イタリア)が、髙橋藍の所属するSVリーグ覇者のサントリーに3-1で勝利した(第2戦は10月8日)。
石川は中央大学在学中からイタリアに渡ってプロ選手としてプレーしていただけに、国内リーグの経験はない。そのため、髙橋との対戦は初めてのこととなり、今回は“夢の対決”と位置付けられていた。
「2人の対決もありますが、ペルージャは世界各国の代表選手を集めたバレーボール版の“銀河系軍団”です。昨季の欧州チャンピオンズリーグ(CL)王者でもあります。2日間のチケットはあっという間に完売となり、この日もアリーナには1万4000人ものファンが詰めかけました。その雰囲気はまるでアイドルのコンサート会場のように、黄色い声援が飛んでいました」(スポーツ紙記者)
異常な盛り上がりを見せていただけではなく、入場チケットもバレーボールでは前例がないほどの高額となっていた。
「通常のチケット価格は、10種類以上のカテゴリーに分かれていて、コートから一番遠い4階のスタンド席は最も安く、それでも5500円でした。コート最前列が最高額の20万円でした。ボクシングの好カードのリングサイドに匹敵する値段です。
正直、20万円でも高いと感じますが、今回は『プレミアム体験付きチケット』というものがあり、価格は驚きの100万円です。席は選手が座るベンチのすぐ後ろで、写真を撮り放題など様々な特権がついています。ほかにも、選手直筆サイン入りのユニホームを両チームからもらえます。また、選手と同じホテルに泊まり、朝食は選手と一緒に取ることができ、試合会場へのバスも同乗できる特典まで。合同練習を見学でき、試合後には選手と記念撮影もできます。今回は各日12席を設けていますが、7日は5枚、8日は9枚売れています。“品薄状態”で、まさに、現在の男子バレー人気を証明する数字です」(民放関係者)
詰めかけたファンは大いに満足して会場を後にしたようだが、じつはテレビ観戦を楽しみにしていたファンからは“大ブーイング”が起きていた。
フジテレビによる宣伝効果が功を奏したのか、注目度の高かった一戦は、フジテレビの地上波で18時50分に始まった。ところが、試合が佳境に差し掛かった20時54分、予定時間が過ぎたとして放送は終了。視聴者にTVerやCSへの移行を促したのだった。
この以降に関して、Xでは、
《今日のバレー中継は酷かったなぁ。みんなTVer使いこなせるわけじゃないんだよフジテレビどうした?》
《フジテレビはスポーツ中継を完遂出来ないならもう関わらないで欲しい。》
《昨日はフジテレビ地上波は延長なしで 試合途中で放送終わったそうでこれではまともなバレーファン取り込めないよ。 アイドル使ったり、番宣のタレント呼んだり、選手の取り上げ方だったり…、昔からフジはバレー中継あまり良いイメージない。》
と、怒りを露わにする人も。なかにはこんな投稿も。
《試合の途中ですがそれではみなさんさようならで終わった時代が一気に昭和に戻ったあの頃のプロ野球中継そうでしたよね》
「1980年代初め、プロ野球中継は試合開始が18時だとしても中継は19時からで、どんなに盛り上がっていても21時前には中継が終了していました。当時のことを思い返す人もいたのでしょうね。
今回の“TVer送り”に関しては、もともとCMの枠なども決まっているためか、延長の対応が難しかったのでしょうね。フジテレビとしては、この機会にTVerをダウンロードしてもらおうと画策したのかもしれませんが、普段見ない視聴者層にとっては逆効果になってしまった印象です。今回の初対決を楽しみにしてテレビにかじりついていたファンにとっては残念な対応だったのでしょう」(前出・スポーツ紙記者)
第1戦はセットカウントまでもつれる接線の末、ペルージャが勝利した。第2戦はいかに──。