
フランスに敗北したU-20日本代表(写真・アフロ)
10月8日(日本時間9日)、チリで開催されている「FIFA U-20 W杯2025」のラウンド16で、U-20日本代表はU-20フランス代表と対戦。延長戦の末、0-1で敗れた。得点は、延長後半終了間際のPKによるものだった。
「試合では終始、日本が主導権を握っていましたが、ポストに何度も嫌われました。実際、シュート数は日本が24に対してフランスが15、という数字からも、内容で圧倒していたのは間違いありません。1点が遠かったですね」(サッカーライター)
ピッチ上ではフランス代表の“大きな壁”に苦戦を強いられた。
「フランス3バックの左に位置する背番号5、エリアス・ジダンです。そう、フランスサッカー界の英雄、ジネディーヌ・ジダンの4男なんです。エリアスは父が選手、監督として在籍したレアル・マドリードのアカデミーで育ち、当時から将来を期待されたDFでした。父がエレガントなMFだったのに対し、息子は195cmの長身をいかしたパワフルなプレーが得意です。日本は何度も攻め込みましたが、彼が体を張って何度もピンチを防ぎました。勝利の立役者のひとりでした。
現在はレアル・ベティス(スペイン)に移籍し、Bチームでプレーしています。父とはまったく違ったプレースタイルですが、今後もU-23代表、フル代表と立場を変え、日本の前に立ちはだかることでしょう」(同前)
U-20日本代表は、3連勝でグループリーグを突破。大会前のそれほど評判は高くなかったが、得点7失点0と、文句のつけようのない成績で勝ち上がると、いつの間にか大会の“ダークホース”的な存在に格上げとなっていた。ところが、大会期間中に思わぬ“事件”が起きた。
「U-20日本代表を視察するために日本を発った、日本サッカー協会(JFA)の影山雅永技術委員長が、フランスで児童ポルノ画像の輸入・所持の容疑で10月2日に逮捕されたんです。その後、有罪判決を受けたことで、JFAは7日、影山氏との契約解除を発表しました。影山氏は児童ポルノ写真を最初『これはアートなんです』『これらの画像は好奇心から、そして芸術的な意味でAIによって生成されたものです』などと主張したようですが、認められませんでした。地元メディアの報道によると、児童ポルノ画像の視聴履歴は1621枚にも上ったそうです。
当然、この醜聞はU-20日本代表の選手たちも知ることになりました。JFAにおける技術委員長という立場は非常に重要なもので、その仕事内容は、男女問わず各カテゴリの育成に始まり、フル代表の監督選考に至るまで、多岐に渡ります。一見、プレーには関係なさそうな事件ですが、選手らのメンタル面には確実に影響があったでしょう」(専門紙記者)
1999年の「FIFAワールドユース選手権」では、小野伸二を中心とした“黄金世代”が準優勝をはたした。今回のグループリーグの快進撃から、それ以上の結果を期待したファンも多かったことだろう。