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大谷翔平がメジャーで苦しむ「動くボール」への対応力
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2018.03.29 11:00 最終更新日:2018.03.29 11:00
「マイナー降格は筋が通っている」
米メディアが辛辣に報道するように、大谷翔平(23)が喘いでいる。イチロー(44)をして、「世界一」と言わしめた才能が発揮できていないのだ。
その理由を多くの評論家、担当記者は「動くボールへの対応」と口を揃える。1986年に米国へコーチ留学した野球評論家の関本四十四氏(68)が語る。
「当時から投手として大成するには条件があった。それは速球、カーブ、チェンジアップを投げ分けること。ただ速球に関しては、日本でいえばきれいな回転の真っすぐ。
でもメジャーは違って、言い換えるならムービングファストボールと称し、少し動くボールを指す。彼はムービングを投げられない。となるといくら球速があっても、打者はタイミングを合わせやすい。打たれる場面を見て、そう感じました」
打撃に関しては「動くボール」と同時に、ボールの質にも悩まされている。
「メジャー球は反発力が弱く、遠くに飛ばない。飛ばすためには手首の返しやフォロースルーを変えないといけない。また球速もあるため、彼のようにバックスイングが大きいと差し込まれる」(現地記者)
日本球界を経由せず、メジャー入りしたマック鈴木氏(42)は、もっと手厳しい。
「日本から海を渡った一流選手のほとんどが経験することだと思いますが、そのポジションで『俺がいちばん飛び抜けている』とは感じていないと思う。メジャーで長年やっている選手のパワーや雰囲気、体つきに圧倒されているんじゃないかと。米国には大谷レベルの選手は山ほどいますから」
そして話題は、“動かない” フォーシームにも及んだ。
「彼は 160キロを超えても、きれいなフォーシームだと打たれることがわかったと思うんです。その時点でどうするか。カーショーもフォーシームを多く投げます。でも打たれない。あの球をどこで磨いたのか、どういう経緯で通用するとわかったのかというのが大事なんです。
彼も2年間のマイナー生活から這い上がってきた。こういう経験をさせるためにも、1Aや2Aからやり直したほうがいいと、球団も考えはじめているんじゃないか。
彼はメジャー契約ではないし、これから育てるという意味合いも大きいはず。大谷自身も将来は投か打か、決断するべきと感じていると思います」
若き侍はまだ23歳。日本で成功した “二刀流” を一度鞘に収めて、研ぎ直す時間はたっぷりある。
(週刊FLASH 2018年4月10日号)