
2025年8月、ブルージェイズ戦で先頭打者ホームランを放った大谷翔平(写真・共同通信)
ワールドシリーズ(WS)連覇を目指すロサンゼルス・ドジャースの相手が決まった。カナダのトロントに本拠地を置くトロント・ブルージェイズだ。
「ブ軍はド軍よりもシーズン勝率が高いため、WSの第1・2戦はトロントから始まります。場所がカナダですから移動距離も長く、気温も低いためコンデション面でも調整が難しくなると言われています。
基本的にホームでの試合は現地ファンからの応援がありますから、ド軍にとってはアウェイスタート。シリーズ序盤から負けが続くと、ズルズル相手ペースで行かれるかもしれません。
その点、ブ軍とリーグ優勝決定シリーズで第7戦まで戦ったシアトル・マリナーズが勝ち上がっていれば、第1・2戦はドジャースホームからスタートなので都合がよかったという声もあがっています」(スポーツ紙記者)
ド軍とも引けを取らない攻撃力が特徴のブ軍だが、現地記者にド軍が連覇を果たすための注意点を聞いた。
「ブ軍の総本塁打数は191本と、ド軍の244本を下回りますが、チーム打率.265は全30球団でトップです。得点は本塁打だけに頼らず、つないでいくことが持ち味。どこからでも得点を取れるのが強みです。勢いに乗らせると手がつけられなくなりますから、このあたりをド軍は警戒しないといけないでしょう。点の取り方が違うんです」(現地記者)
では、投手力はどうか。
「ド軍は、ブレイク・スネル、山本由伸、タイラー・グラスナウ、大谷翔平の先発 “4本柱” に対し、ブ軍はケビン・ゴーズマン、シェーン・ビーバー、マックス・シャーザー、そしてルーキーのトレイ・イェサベージで回してくるでしょう。
先発の顔ぶれを見れば、ド軍のほうが一枚も二枚も上と認めざるを得ません。ブ軍は先発の調子が悪いとなれば早い回でもどんどん変えてきますから、早めの交代にド軍が対応できるかどうかも見ものですね。
またド軍はポストシーズン(PS)で先発陣が安定していて長い回を投げましたが、逆に言えば早い回にKOされたときの対応ができるかどうか。中継ぎ陣が弱いことに加え、デーブ・ロバーツ監督の中継ぎ陣への準備の指示が遅すぎますからね。早め早めの準備は必要不可欠です」(同)
両チームの “主砲対決” にも注目が集まっている。
「大谷は最後のブルワーズ戦こそ3本塁打を放ちましたが、PSのトータルで言えば打率.220、5本塁打、9打点です。
対するブ軍のゲレーロ・ジュニアは打率.442、6本塁打、12打点と抜群の成績を残しています。強く振ることで有名な選手ですが、PS11試合で三振はわずか3と確実性も高い。とにかく彼の前にランナーを出さないことが求められます。
さらに、ブ軍では、WSから攻守の要であるボー・ビシェットが復帰予定。シーズンではアーロン・ジャッジに次ぐ打率.311で2位に入っています。打線の厚みが出ることは間違いありません」(同)
ブ軍のトップバッターに起用されることが濃厚なジョージ・スプリンガーは、ド軍にとっては “因縁の相手” だ。
「彼がヒューストン・アストロズに在籍していた2017年、ド軍とWSを争い、4勝3敗で初の世界一に輝きました。ただ、のちにア軍のサイン盗みが発覚し、『盗まれた世界一』と揶揄されたほど。
ド軍ファンはスプリンガーがロサンゼルスに来ることを手ぐすね引いて待っています。彼が打席に入るだけで大ブーイングが起こるでしょう。ただ、彼はプレッシャーに強いことで有名で、罵声を歓声に変えることができる。彼を乗せないことも重要です」(同)
ド軍にとって手ごわい相手に違いないが、最後に有利なデータを。
「今季はド軍の2勝1敗ですが、大谷は3試合で13打数7安打、打率・538、2本塁打、2打点と好相性なんです。PSのフィリーズ戦、ブルワーズ戦では徹底して左投手を当てられてきましたが、ブ軍には両チームのような絶対的な左腕がいない。大谷にとっては組みやすいチームとなるでしょう」(同)
注目の第1戦は、10月24日(日本時間25日)に幕を開ける。