「ヴァンクリーフ&アーペル」のネックレスをつけるミゲル・ロハス(写真・アフロ)
この男の存在がなければ、山本由伸のワールドシリーズ(WS)のMVPも、ドジャースの21世紀初となるWS連覇もなかったことは間違いない。ド軍のユーティリティープレーヤーであるミゲル・ロハスのことだ。
「今シリーズ、ド軍の打撃不振は深刻でした。とくに下位打線、とりわけ9番を任されていたアンディ・パヘズは、シーズン中とは打って変わって不調。とくにWS初戦から4戦めまでの打率は15打数1安打の0.67でした。
9番打者は9番めの打者というだけでなく、1番打者につなぐ大事な役目も担います。ド軍はトップバッターでポイントゲッターの大谷翔平が1番に座るため、得点という意味でも、9番打者が塁にいれば、大量得点につながるケースが出てくるんです。
デーブ・ロバーツ監督がほかの選手を起用するのは当然のことでした」(スポーツ紙記者)
そんな危機的状況のなか、第6戦から起用されたのがロハスだった。しぶとい打撃と、バントなど小技も利く彼の技術は、短期決戦にこそ必要となる。そんな存在が際立ったのが、11月1日(日本時間2日)、第7戦でのことだ。
「3-4と追い込まれた9回表の打席。過度な重圧がかかるこの打席で、ロハスはベテランらしく動じない。甘く入ってきた変化球を捉えた打球は、一直線にレフトスタンドに吸い込まれました。32年ぶりの世界一を信じて疑わないブ軍ファンを、一瞬にして沈黙させるのに十分な一発でした。
続く9回裏の守備でも、光るプレーがありました。1死満塁の大ピンチ。一打サヨナラの場面で前進守備を敷いたロハスは、強い打球に体勢を崩しながら好捕。
そのため送球は難しいものとなりましたが、強靭な足腰を利してホームにストライク送球。この回をしのいだド軍は、21世紀初であり、チームとって初となるWS連覇を果たすことができました」(同)
攻守で絶大な存在感を示したロハスだが、意外なことでも話題となっていた。それは今季からつけ始めたネックレスだ。
「スポーツ選手のネックレスと言えばゴールドのチェーンが多く、中南米の選手などは『重くないのか』といらぬ心配をしてしまうほど太いチェーンをすることで知られます。
そんななか、ロハスがつけているネックレスは異彩を放っています。フランスのジュエリーブランド『ヴァンクリーフ&アーペル』のネックレスで、値段は約1万1000ドル(約160万円)と高価なもの。天然石オニキスで作られた4つ葉のクローバーをモチーフにしています。
4つ葉のクローバーと言えば、『幸運をもたらす』との言い伝えもありますから、お守りとしてつける選手も多いと聞いています。ロハスがつけ始めて、流行らせたのは間違いありません。
ほかにもタンパベイ・レイズのフニオール・カミネロ内野手やテキサス・レンジャーズのジョック・ピーターソン外野手も愛用しています。また、NBAの “レジェンド” でもあるロサンゼルス・レイカーズのレブロン・ジェームスは、ブレスレットを身につけています」(現地記者)
来季いっぱいでの引退を表明しているロハスだが、ド軍との契約は今季終了までとなっている。
「契約に関しては、日本では考えられないほどシビアなのがMLBです。2009年、ヤンキースとの契約最終年で松井秀喜さんはWSを制覇し、自身も日本人初のMVPに輝きました。
その活躍で契約更新が期待されましたが、35歳という年齢と、やや落ちてきた成績のため契約更新には至りませんでした。日本のように情に流される契約をしないのがアメリカ流なんです。
ロハスは素晴らしい活躍をしましたし、本人は『ドジャースで引退したい』と熱望していますが、今後については不透明としか言いようがありません」(同)
はたして、“幸運のネックレス” は、ロハスにとってWS制覇同様、契約面でも幸運をもたらしてくれるだろうか。
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