
ヒットで出塁し、喜ぶ大谷翔平(写真・桑原 靖)
「来年、もう一つの(チャンピオン)リングを手に入れる準備はできている」
11月3日(日本時間4日)、ロサンゼルス中心部を25万人のファンが埋め尽くしたV2パレードのあと、大谷翔平は、ドジャースタジアムに詰めかけた5万2000人を前に冒頭の言葉を発し、さらなる興奮の渦へと導いた。
しかし、この大谷の発言に「少し冷静になれよ」とばかりに警鐘を鳴らした人物がいる。名門ヤンキースを12年に及ぶ長い期間で指揮し、松井秀喜氏の “師匠” としても知られるジョー・トーリ氏だ。
同氏は米誌『ニューズウィーク』に、まず「彼らはこれからが大変だろう」とし、続けて「3連覇は素晴らしい。しかし、シーズンの初めにそれを公言して自分を狂わせてはいけない。道のりには、あまりにも多くの障害がある」と述べた。
「トーリ氏は12年間のヤ軍監督生活で、WS優勝を計4回、うち1回は3連覇を果たしています。ただ、ほかの8シーズンすべてでポストシーズン(PS)進出を果たしているものの、WS優勝には届きませんでした。常勝軍団を率いたトーリ氏でさえ、WS優勝は簡単なものではありませんでした。
高みを目指すのはいいが、慢心してほしくないといった意味で警鐘を鳴らしたのでしょう。また、2008年からは3年間ド軍を指揮したこともあるので、黙っていられなかったのもあるでしょうね」(スポーツ紙記者)
“名将” の言葉だけに、ド軍の選手たちも気を引き締め直すには十分だったに違いない。もっともド軍のフロント組は、3連覇に向けてどの球団よりも積極的に補強を目指しているという。
「まだ大物選手の獲得は発表されていませんが、現時点では補強に向けて資金面の調達に動いているのでしょう。もちろん、シーズン中から続いたことでした。
5月に第2捕手のオースティン・バーンズを皮切りに、ユーティリティ選手のクリス・テイラーらを戦力外にした。WS優勝後にもベン・ロートベット捕手をトレードに出しましたし、今後も、FAで1年契約で獲ったカービー・イエーツ投手やマイケル・コンフォート外野手とは契約延長しないようです。
となれば、引退するクレイトン・カーショウ投手を含めると、すでに10選手との契約を延長しない模様で、彼らをカットすることで130億円以上も浮く。資金調達が順調なので、今後は大物選手獲得のニュースが飛び込んでくるでしょう」(現地記者)
ド軍の補強ポイントは、シーズン、PSを見てもわかるとおり、ブルペン陣の強化に尽きる。
「今季のド軍のクローザーは、エバン・フィリップスと、昨年オフに4年7200万ドル(約110億円)の大型契約を結んだタナー・スコットの “調子のいいほう” を起用するとデーブ・ロバーツ監督は考えていました。
ところが、フィリップスは5月にトミー・ジョン手術のため、その後は全休。スコットも極度の不振のため、終盤は怖くて使えない状態でした。
それだけに、クローザーとして信用のおける投手が欲しい。現段階ではニューヨーク・メッツからFAとなったエドウィン・ディアスが第1候補で、第2候補が同じくFAとなったサンディエゴ・パドレスのロベルト・スアレスです。あわよくば2人とも獲得したいが本音でしょう。2人とも高額契約が必至ですが、133億円が浮いていますし、それ以外にも回せるお金はある “金満球団” ですからね」
V3に向け、年内にいくつのビッグニュースが飛び込んでくるはず。しばらくはド軍から目が離せない。
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