渋野日向子インタビューで涙を流した渋野日向子(写真・共同通信)
「本当に一番ひどい1年だったと思うんで、悔しいし、うん……」
そう話すのが精一杯だった。あとは言葉に詰まって涙が頬を伝った。「まあ、あとは上を見ていくしかないかなと思います」とコメントを絞り出した。
来季のLPGAツアーシード権保持のため、わずかな望みを持って11月14日(日本時間15日)からの『アニカ・ゲインブリッジ・ペリカン』に出場した渋野日向子だったが、通算6オーバーで決勝ラウンドに進めなかった。
トーナメント前、37位以内に入れば準シードとなる100位以内を確保することができたが、初日は1バーディー、2ボギーの1オーバー、54位と出遅れた。迎えた2日めもボギーが先行し、結局1バーディー、4ボギー、1ダブルボギーとさらにスコアを落とし、通算6オーバーで予選落ちとなった。
本人にとっては長く、辛い1年だったに違いない。今季は23試合に出場し、半分以上の13試合で予選落ち。トップ10入りは、5月後半におこなわれた全米女子の7位と、わずか1回だけだった。毎週、日本人プレーヤーの誰かしらがトップ10に入るなか、まさに“ひとり蚊帳の外”状態。トレードマークのスマイルが消えていくのは、致し方ないことだった。
「今季1年間の不調で技術はもちろんのこと、メンタル面でも相当やられているようですし、主戦場をアメリカから日本に移すやり方もありだと思うんです。日本には、アメリカでの成功を期待されて渡米しながら不振に終わった河本結がいます。彼女は帰国直後、調子が上がりませんでしたが、昨年には2019年以来の優勝を飾り、復活の足掛かりを掴んだのか、今季はさらに2勝で完全復活。渋野にとってはいいお手本となるし、2人はとても仲のいい間柄でもあります。河本のように日本で復活を期し、再度アメリカに挑戦するという道もあると思うんです。でも、彼女のなかではあくまでもアメリカが中心。日本に帰国し、JLPGAのツアーを中心にプレーする気持ちはないようです」(ゴルフライター)
気になる今後だが、12月4日から8日の5日間、アラバマ州で行われる最終予選会に回る予定。5日間で90ホールの長丁場だけに、心技体の充実が最低条件。そこで来季のツアーの出場権を得られるのは、25位タイまでという狭き門となっている(昨年は99人が出場)。
来季のすべてを決めるといっても過言でない予選会まで、残された準備期間はわずか3週間足らずだ。その調整も兼ね、渋野は11月20日開幕のLPGAツアー『大王製紙エリエール・レディース』に、同じくLPGAツアーのシード権を失った西村優菜と出場することが発表された。
予選会に向け、最善の準備ができることを願わずにはいられない。試練の12月を乗り切るには、それしかないだろう。
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