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山下美夢有、“精密機械” ぶり発揮できれば「新人賞」と「最優秀選手賞」の2冠も視野…渋野日向子の苦闘を「他山の石」に

スポーツ 記事投稿日:2025.11.21 19:10 最終更新日:2025.11.21 19:43

山下美夢有、“精密機械” ぶり発揮できれば「新人賞」と「最優秀選手賞」の2冠も視野…渋野日向子の苦闘を「他山の石」に

山下美夢有

 

 今季のLPGA女子ゴルフツアーの最終戦『CMEグループ・ツアー選手権』が、11月20日(日本時間21日)、米フロリダ州のティブロンGCで開幕した。

 

 LPGAでの成績上位60人しか出場できないなか、日本勢は過去最多の8選手が出場。世界最高峰の舞台での日本人選手の躍進を物語っている。

 

 なかでも注目は、今季のLPGA新人賞に輝いた山下美夢有だ。メジャー大会の『AIG女子オープン』(全英)で初優勝を飾ると、『メイバンク選手権』でも勝ち、日本人選手で唯一の複数優勝を果たした。

 

 最終戦を前に、世界ランキングは3位、賞金ランキングも3位、ポイントランキングでは2位と、新人らしからぬ成績を残している。

 

 最終戦は優勝賞金400万ドル(約6億2000万円)と日本のツアーとは桁が違う高額。優勝すれば、誰もが最優秀選手賞を獲得できるが、山下の場合はただ一人、新人賞と最優秀選手賞の2冠を獲得できる位置にいるのだ。

 

 迎えた初日、トップに立ったのは、8アンダー64で回ったイ・ソミ(韓国・年間ポイントランキング10位)。2位は2打差でアリセン・コープス(米国)だった。山下は2アンダー70で回り、初日は32位のスタートとなった。日本勢のトップは、3位に3打差で畑岡奈紗がつけている。

 

「この大会は4日間おこなわれますが、予選落ちがありません。初日を終えて山下はトップとは6打差ですが、彼女の “精密機械” と称されるショートゲームが発揮されれば、逆転優勝は十分に可能です」(ゴルフライター)

 

 山下は2022年から2年連続で年間ポイントおよび賞金の2部門でも日本のトップとなったが、アメリカで1年めから順応できることは、さすが “日本の女王” というしかない。

 

 山下同様、日本でプロ転向後すぐに頭角を現し、海外でもその実力を示したのが渋野日向子だった。プロ1年めの2019年5月、JLPGAツアー公式戦『ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ』でツアー初優勝を遂げると、あとは一気に日本女子ゴルフ界のトップに駆け上がった。

 

 そのうえ、1年めからツアー4勝するだけでなく、海外初試合となったメジャーの『AIG全英女子オープン』でも優勝。どんなときでも笑顔を絶やさず、ギャラリーにも優しい態度の渋野を、海外のメディアは “スマイル・シンデレラ” と称賛した。

 

 その後、LPGAツアーを主戦場としたが、渋野の実力、当時の勢いからすれば、それも当然の選択だっただろう。しかし、徐々に歯車が狂い始める。

 

「LPGAで戦うため、スイングや肉体改造に着手するも結果的には失敗に終わりました。緊張する場面でも『大丈夫か?』と聞きたくなるほど強めのパッティングがウリでしたが、それも現在では影を潜めています。

 

 とくに、今季は彼女にとっては苦しいものでした。23試合に出場して半分以上の13試合で予選落ち。ランキングもシード権を失う104位まで落ちてしまいました。

 

 それでもアメリカで戦うことをあきらめておらず、12月4日からの米予選会に出場することを表明しています。これは5日間で90ホールを戦う過酷なもの。そのため、渋野は日本での調整を選び、『大王製紙エリエールレディス』に出場しました。しかし、痛めていた首が悪化し、無念の途中棄権となりました。

 

 渋野のように一度輝かしい成績を残していても、長期的に結果を出し続けるのは難しい。山下は今季最優秀選手賞を狙えるポジションなので、ぜひ獲得してほしいですが、もしダメだったとしても、渋野の苦闘を『他山の石』に、体のコンディションだけは保てるようにしてほしいですね」(同)

 

 運命の最終日は23日(日本時間24日)。結果はいかに──。

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出典元: SmartFLASH

著者: 『FLASH』編集部

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